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第180話

「え、」 首を傾げアキラを見るみずき… 「ヤツみずきの名前出したら殴れなくなるから、ソコはみずきに好かれてよかったかも…」 軽く微笑んで言うアキラ。 「…アキラ、」 「って、みずき食ってなかったのか?」 ふと、みずきの朝の御膳をみて驚く。 「あぁ、アキラがきてからと思って…」 当たり前のように頷くみずき。 「先食ってろっていったのに…」 首を傾げながら、やれやれ…と呟く。 「すまない…けれど、一緒に食べたかったから」 みずきは素直に謝り、優しく理由を伝える。 「ふ、困ったやつ…じゃ食べよ、いただきますー」 アキラは柔らかく微笑んで手をあわせ言う。 「あぁ…いただきます」 微笑むアキラの様子を見て安心し、みずきもアキラにあわせて頂くことにする。 夕食と違い、あっさりしたものが多い朝食… アキラはすすんで食べ始めている。 やはり体調は心配だが、見るかぎりでは、調子もよさそうなので、ほっとするみずき… 賑やかに朝の食事を終えた一行は、チェックアウトの時刻まで思い思いの時を過ごす。 ルード、ヨシ、瞬助の三人はまた朝風呂に入りに大浴場へと行き… アキラとみずきとコウジは、みやげ屋で時間を潰していた。 「アキ兄、けんじさんへお土産買うよね?被らないようにしなきゃ、食べ物にする?」 コウジは何気にアキラの隣に来て聞いてみる。 「ん、そーだなぁ、じゃオレ置物みたいなヤツにするからコウは食べ物でいい?」 「うん、いいよ。それなら絶対被らないもんね」 仲良く会話する兄弟二人を、なんとなく微笑ましく思いながら後ろからみているみずき。 コウジはアキラより明るい髪の色をしていて… けれど、瞳は茶色… アキラの瞳はとても綺麗な深緑で、誰が見ても混血児だとわかるけど、コウジの方は、染め髪のようにも見えて…言われないとわからない…

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