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第181話
母親が違うとやはり違ってくるんだな…などと一人感心しているみずき。
そんなみずきにアキラは振り返って声をかける。
「みずきはお姉さんとかに土産買わないのかー?」
「え、あぁ…姉さんも母さんもなかなか会えないし…」
首を傾げながら答えるみずき。
「じゃ、親父さんになんか買ってあげれば?喜ぶとおもうけど?」
さとすようにみずきに聞くアキラ。
「父さんに?」
「たまに行ってんだろ、会いに」
「あぁ…しかし、どんな物を買ったらいいのか見当がつかないな…」
父親の好きな物といえば‥酒だろうし、それは入院中の人には渡せない…
「なんでもいいんだよ、買って帰ることに意義があるんだし、お姉さんとかにも買って送ればいいんじゃねーの?住所知ってるんだろ?」
「あぁ、そうだな…買って帰るよお土産、」
「ん、そうしろそうしろ」
満足したように頷くアキラ。
「アキラ、一緒に選んで欲しい…」
みずきは優しく名前を呼んでアキラの髪に触れそう頼む。
「えー、自分で選べよ…」
少し顔をしかめるアキラ。
「…アキラはセンスがいいからな、参考にしたい…」
機嫌をとるようにそう言い足してみるみずき。
「…褒めたって何もでないからな」
照れ隠しのようにツンと言ったあとアキラは…
「仕方ないから、選んでやろっかな…」
笑顔をみせて頷く。
「あぁ、ありがとう…」
アキラの笑ったカオに和みながら…お礼をいうみずき。
「…アキ兄って…」
そんな様子を端から見ていたコウジがポツリと…
「ん?」
首を傾げながらコウジに視線を移すアキラ。
「やっぱ、幸せ者だよ、」
「そっか?」
首を傾げるように聞き返すアキラ。
「うん、ちゃんとアキ兄の意見優先してもらえてるし…」
僕らだったら瞬が勝手にきめちゃって、決定権ないもん…僕には。
苦笑いしながら付け足して伝えるコウジ。
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