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第197話
「はは、相変わらず可愛いげねぇなぁ、院長サマにそっくりだ」
しかし、その医師は面白そうに笑ってアキラにとっての爆弾発言をさらっという。
「……」
アキラはムッとする。
「アキラ…」
せっかくアキラの気分が浮上していたのに、何を言い出すんだ、この人は!とみずきも驚き、慌てて心配するが…
「冗談だって、まぁ、どっちかというと、お前はリアナさんに似てると思ってるからな‥」
笑いながら言う亜澄。
「はぁ、オレからかってもおもしろくないっすよ?」
この人物にからかわれることに慣れているのか、大きくため息をつき、げんなりしたままアキラは言い返す。
「いやいや、院長サマをからかっているようで面白い…」
楽しそうにする亜澄に、不意に後ろから声がかかる。
「亜澄先生、青柳先生が呼んでるよ」
声の主は、健次だった。
「お、きたきた!健次…って青柳先生がぁ?俺なんかやったっけ…」
「さあ、行ってみたら分かるんじゃないかな?」
「しゃーない、んじゃまたな、アキラ!」
ウインクなどしながら手を振り、この場を後にする亜澄。
「ありがとう、健次さん」
アキラはやってきた救世主に笑顔を向ける。
「いえいえ、アキラは昔から亜澄が苦手ですからね」
優しい笑顔で答える健次。
「あのテンションにはついていけない」
参ったように答える。
「はは、もうそろそろ落ち着いてもいい頃なんですけどね…」
苦笑いな健次。
「…長年付き合ってる健次さんはすごいよ」
感心したように言うアキラに、また笑って答える。
「はは、まぁ彼もいい所はあるんですけどね」
「わからない…あ、健次さん、用事はいいの?」
「はい、来訪者の方は帰られたので大丈夫ですよ」
優しく伝える健次。
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悠希乃諒です。
読んでくださってありがとうございます^ ^こっそり更新開始したので誰も読まれないかなと思っていましたが、リアクションしてくださってとても嬉しいです。
健次と亜澄が出てくる番外編はアキラの過去編1に書いてるので良かったら覗いてみてください。ちょっと悲しいお話ではありますが…
↓
https://fujossy.jp/books/637
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