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第198話
「じゃ、これおみやげ。皆で温泉旅行行ってたから…」
それを聞き、安心して鞄からお土産を取り出して渡す。
「そうですか、ありがとうございます。よかったですね、旅行」
「うん、桜も綺麗に見えて最高によかったよ」
健次の前では素直なアキラ。
感想を伝えている。
「桜ですか、もうお花見の季節なんですね、早いものです」
「健次さんも行けたらいいのにな…」
「そうですね、なかなか病院を空けるわけにはいかないですからね、代わりにアキラがいろいろ見てきてください…」
「うん、つくづく不憫な職種だと思うよ」
しみじみ言うアキラに…
「いえいえ、医者も悪いことばかりではありませんから…大丈夫ですよ」
苦笑いする健次。
「あ、そうだ、近いうちにメアリーとリッツを引き取ろうと思うから、また連絡するね…やっぱ傍にいさせたいから…」
「そうですか、犬たちは喜びますね、僕らは少し寂しいですがよろしくお願いします」
「ん、健次さんも今までメアリーたちの世話ありがと…」
色々と迷惑をかけたことを含めてお礼をいう。
「いえいえ、特別なことはしてませんから…」
優しくかえす。
「またすぐ迷惑かけるかもだけど、」
「ええ、かまいませんよ、いつでも頼ってください」
「ありがと、健次さん」
「いえ、あ、お薬の変更があって、身体の方はどうですか?副作用が強くでたりしていませんか?」
やはりアキラの身体が気になり聞いてしまう健次。
「今のところは前と変わらないくらいだし、大丈夫」
そう、笑って答える。
「なら良かったです、アキラの薬は脳神経に影響を及ぼすものが多く使われていますから、少しでも変化があれば教えてくださいね…」
「うん、」
「鈴鹿さんもアキラのことをよろしくお願いします、私ではなかなか目が届かないので…」
みずきにも頼むように言う。
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