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第19話
「はぁあん……あ、ジェレミー、止してくれ……君の口が穢れてしまう……」
「何を言っているのだ、トオル。君のものは禁断の果実のように甘く、私自身が蕩けてしまいそうなほどだ」
「あ……ィッ、あ……んはぅ……」
「君はそうやって喘いでいなさい。私が君に奉仕をしよう。大切な初夜だ。ゆっくりと、時間をかけて花嫁の純潔をいただきたいからね」
トオルがおのれの痴態を恥じ、両手で顔を覆っている間に、ジェレミーはピクピクと反応しだしたトオル自身をずっぽりと咥えこみ、キャンデーでも舐めるように下から上へ吸い上げる。
「ぁ……あ、あ……もう、出したい……出させて……っ」
「んーん。それは駄目。君の蜜を私に注ぐまで、けして離しはしないよ」
ちらりと顔を上げたジェレミーは気(き)障(ざ)にウインクをしてみせ、再び口淫を続ける。陰嚢の裏の皺を一筋一筋舌で伸ばされ、鈴口には軽く歯を立てられる。
ジェレミーの舌技は大胆かつ紳士的でもあり、性欲が乏しいトオルにとって未知の快感を紡ぎ出す魔術師のように思えた。
「ジェレミー……ジェレミー、ん、あっ、はあ、あ――っ」
トオルは喉をのけぞらせて盛大に達した。
「は……ぁあ……はぁ……」
全身の力が一気に抜け落ちたように感じる。
トオルは荒く息を吐き、少しでも身体を休めようと目蓋を閉じる。つかの間の休息がほしかった。
だがジェレミーはトオルの精液をすべて飲み干すと、一度祭壇から離れ、教会の隅にある小さな部屋へと入っていく。
ジェレミーが戻ってきたころにはトオルの呼吸も戻ってはいたが、全身の倦怠感がすさまじく、祭壇からも起き上がれそうにもない。
額から伝う汗を拭うと、ふいに口にするのも憚れる場所に、にゅぷりとした何かが挿入される。
「なっ、あ、ジェ、ジェレミー……? 君は、何をしているのだい?」
「私の奉仕はまだ終わらないよ。さあ、トオル。私のすべてを君に捧げよう」
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