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track.3
――騙された! 騙された!!
自由 は何度も頭の中で自分の愚かさに、男のズルさに、脳味噌が沸騰するかと思うほどの怒りを爆発させていた。
あの後『奢って欲しい?』と、男はニヤリといやらしく笑った。そこまでが奴のシナリオで最初からそのつもりで公園にいた自由に声を掛けたのだ。
同じ男なのになぜそれが読めなかったのか、自由は自分自身にひどく呆れるが、まさか同じ男の自分がそんな対象になるとは考えが全く及ばなかったのだ。
自由は、朝飛び出してきたばかりのマンションにまた連れ戻される。
上昇するエレベーターの中で必死に男を諭したが、全く聞き入れてもらえず男に引っ張られるまま部屋に連れて行かれる。貧乏生活で貧弱な自由の身体は自分より10㎝ほど背の高い男に簡単に操られた。
寝心地の良いあのベッドに軽く放り投げられ、意識がはっきりとした中で口付けられる。
ただでさえ頭はパニック状態なのに、自分と同じ男にキスされ思考が追いつかず、自由は驚く余裕もなかった。何か喋ろうとすると舌が中に入ってきて声を奪われる。
男にキスなんかされたら絶対に吐くと思っていたのに、経験値の高いキスに自由はすでにクラクラし始めていた。
慣れた手つきで服を次々に剥ぎ取られ、ベッドに押さえつけられ首筋を吸われる。
「待っ、待って! 無理ッ無理ッ!」
力では勝てないとわかっていても自由は必死に抵抗した。
「――大丈夫。ちゃんと出来たよ」
「ア、アンタが勝手にしたんだろっ!」
裸でベッドを這って逃げようとする自由の細い腕を掴んで簡単に男は引き戻す。肩をシーツに押さえつけられ真上にある男の目と合う。
「君は――支払い能力もないのにあんなに食べたんだよ――?それについてどう釈明するの――?」
黒く濃い瞳をギリギリまで近付けて男はまた静かに笑った。自由はさっきから恐怖で寒気と冷や汗が止まらない。
声を出すことを忘れた唇はまた深いキスで塞がれ、自由は覚悟するみたいにギュッと目を瞑った。
――気を失ってしまいたい……。
自由はそう必死に願ったが、もちろん簡単に気など失うことはなかった――。
「あっ、ハァ……ハァ……ッ」
自由は男にされるがままに延々と息を切らした。
恥ずかしさと恐ろしさで目を開けられず、それとは相反して嘘みたいに身体は気持ち良くされた。
身体中を撫でられ、緊張していたはずなのに自由の雄は簡単に起き上がっては男の手の中で何度もイかされた。もうそれだけで自由はヘトヘトになっていたが、男は昨日覚えたばかりの自由の後ろに指を忍ばせ慣れた手つきでまだ初めてに近い自由を簡単に善がらせた。
「んっ、んん……っ」
あるところを押されると自由はひどく感じてしまって、つま先でシーツを掴んでは腰を上下させた。
自分の喘ぎ声が聞こえて嫌悪感を覚えるのに、与えられる快感のがずっと強くて溢れる声を我慢出来ない。
弄られ、ぬるぬるに濡らされた場所に男の硬くなった塊がゆっくり入ってくる。目を閉じていると余計ダイレクトに感触が伝わって背中がゾワリとした。
先端の出っ張った場所を抜けるとスムーズに奥へと進んで自由の弱い場所を掠めると、甘い声が喉から漏れた。
女にするみたいに男に組み敷かれて何度も奥を貫かれた。痛みもあるのに確実にそれ以外の感覚が自由の身体を支配していて、それを証明するように自分の中心がまた熱を帯びて起き上がっているのがわかった。
男にそれをまた責められて呆気なく自由は自分の腹に雫を吐き出すと、赤くなった薄い胸を激しく上下させた。
「も……むり……」
涙で滲んだ茶色の瞳を薄っすら開いて男に懇願するが、男は相変わらず薄い笑みを浮かべたままで何も聞き入れてはくれなかった。
自由は男の厚い胸板に掌を当てて力の入らない身体をどうにか引き剥がそうと抗う。
それに気付いたのか、男は自由の上半身を引き起こし、向かい合った自分の膝に痩せた尻を乗せ、自由の体重を使って更に奥を深く貫いた。
悲鳴にも似た高い声が自由からあがり、少しでも楽になりたくて必死に男の肩に自らしがみついた。
男は泣いている自由など御構い無しに何度も下から深く打ち付けては、火照った顔に強い赤が目に鮮やかな自由の戦慄く唇を何度も捕まえては深く中を犯した。
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