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bonus track.6

  自由はゆっくりと自分の中に入ってくる愛しい男の一部を幸せそうに受け入れる。 「どうしよ、俺……すぐイッちゃいそう……」  溜め息まじりに自由は漏らした。 「我慢してよ、お前出すとすぐに寝ちゃうから」 「ひゃああっ、握んなっ、痛いよっ」  葉山に根元を握られ、自由は身体をよじって嘆いた。 「だって、誠一郎遅いんだもん……」  ビキリ、と何かに亀裂が入ったような音がした。  錯覚なのだろうが、二人の空気に明らかに何かが走ったのを自由は感じた。  恨めしい顔をした年上の伴侶に上から蛇のようにじっとりと睨まれる。思わず変な汗が自由から吹き出す。 「いや、あの、ホラ! なんて言うか、早い! そう! 俺が単に早いんだ! きっとそう!」 「なんで俺が一回りも下に同情されなきゃなんないんだー! この野郎!!」 「あっ、痛ッ……だって、怒るからぁ〜っ」  さっきまでのムードなどはすっかり崩壊し、右足首を掴んで自由の慣れた場所を大胆に開かせると、葉山は深いところまで強く貫いた。  ギリギリまで浅く抜いて、一気に奥まで貫く。何度か繰り返していると自由はもう反抗する声も出ないようで、顔の横でシーツを握りしめては、何度も大きく鳴いた。 「あっ、いく……いく……っ」  ブルブルと背中を震わせ、自由はその波が来るのを待った。もう少しのところで自分の中から葉山が出て行ってしまった。 「やっ! な、なんで??」  赤く戦慄く自由の秘部は物欲しげに揺れて、その瞳は涙で濡れていた。 「誠一郎ッ……やだ、ねぇッ……、やだぁ……」  悪さが出来ないように自由の両手首を掴んでシーツに抑え込む。腰を上下させて必死に自由はねだった。 「誠一郎、してよっ、やだっ、なんで??」  普段では絶対に出さないような猫撫で声で、自由は懇願して来る。 「約束してよ、今日は俺より先にイかないって」 「そんなの無理ッ、無理ッ……」 「じゃあもう、今日はおしまい」 「意地悪ッ! なんでだよぉっ、誠一郎の鬼畜!」  わざと葉山が見せた隙をついて、自由は上体を起こして、今度は葉山を組み敷いた。倒された葉山は薄っすらと笑うだけで無抵抗に近い。 「いい? ねぇ、いいってゆって。誠一郎、俺の中、入りたいって、ゆってよ……」  発情した猫のように、高熱に浮かされたみたいな虚ろな眼差しで、自由はギリギリまで自分の後ろを葉山の屹立に近付ける。  限界が近い自由の先走りが白い太腿を伝って、怪しく光っている。 「誠一郎、ね? 俺の中、出したいよね?」 「──自由は? 俺にどうされたいの?」  小さな自由の臀部を大きな手で包みながら葉山はいやらしく笑った。わざとひくつく孔の周りを指でくるりと撫でると、自由はそれだけで甘い声を漏らす。 「自由は俺にどうされたいの?」  言葉責めなんて、益々オヤジっぽいなと、自虐しながらも、葉山は自由をいじめるのが楽しくて堪らない。長い睫毛を伏せながら、丸い瞳が恥ずかしそうにユラユラ揺れている。  今すぐにでも自由を食い荒らしたくなる衝動を必死に仮面の下に隠して、葉山は自由の言葉を待った。 「俺……、は、誠一郎と、早く……繋がりたい……」  赤く濡れた唇が少し震えながら、自由は言葉を紡いだ。 「わかんない。なに──?」 「ひゃ……っ」  自由の粘膜にピタリと先端をあて、葉山はまだ自由を焦らす。 「意地悪すんなよっ! わかってるくせに!」  今にも泣きそうな声で自由は目を瞑ってかぶりを振った。涙が葉山の胸にポツポツと跳ねた。 「ごめん……」  自由の背中に手を回してゆっくりと引き寄せる。それと共に自由が欲しがっていたものを中に沈ませる。 「あー……、あ……、せいいちろ……」  葉山の胸にしがみ付いて、自由はゆっくりと限界を迎えた。繋がった場所がゆっくりとした速さで葉山をぎゅうぎゅうと締め付けて行く。  自由は射精らしい射精が出来ずに、むずむずと顔を歪める。なんだか可愛くて自由の中をぐるりと動いて回ると、自由はビクビクと背中を震わせ、声を上げた。 「あっ、……止まんない……、変なの、出てる……」  自由は自身の先端からぬるぬると透明の雫が溢れ出すのを必死で止めようと根元を掴んだ。動揺している自由を放って葉山はまた下から突き上げる。 「あっ! だめ、動かないで……っ、ま、またイッちゃ……ああっ!」  自由の身体を激しい痙攣が遅い、その振動は繋がった葉山にまで伝わる。葉山の背中にもゾクリとしたものが走る。 「もう二回もイッちゃったね」 「だって、変……だから、俺のアソコ変……」 「そう? 俺は最高に気持ち良いよ」  葉山が中でまた動いて自由は肩を竦めながら快感に耐えた。 「誠一郎……も、イッて……、俺の中で、出して、いいよ──」  葉山はその言葉に満足すると、緩んだ顔を見られないように深く自由に口付けた。細い両腕がギュッと葉山の肩に絡められる。

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