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記憶
「で、思い出したの?瀬川くんのこと」
瀬川が出て行ったあの後、俺達は急いでご飯を食べ、教室に向かった。
あれからずっと考えているけれど、何も思い出せない。
「…いや、なんも」
「ふ〜ん、まぁ陸人友達いないしね!」
「確かに……って失礼だな!言うなよ!」
くそ!何も言えないのが悔しい!
「でも〜〜瀬川くんって結構有名だよ?」
「は?なんで?」
「なんでって、イケメンだから?食堂にはあんまり来ないって噂だったのに、珍しいね」
…だから今日いつもより人が多かったのか?
確かにイケメンだったけど。
てか、そんなヤツと話してたのかよ俺。
最悪だ、平和に過ごしてたいのに。
「絶対、目つけられた…」
「みんなこっち見てたしね〜。どんまい、陸人。でも俺がいるから大丈夫っしょ!」
「…お前といるのもあんまりよく思われてないけどな…。……でも、ありがと。助かりますー」
そう言って頭を下げた。
何だかんだ言って、信頼してるのはコイツだけだし。
「…うんうん、陸人の事は俺が守るから、心配しないで〜」
「おう、頼りにしてる」
とりあえず、あんまり気にしないようにしよう。
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