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当然ですから
side 詩帆
鼓くんと遼介が付き合い始めた頃、そりゃもう驚いたけど...今はなんだかんだ仲良いしお似合いだからいいかなって。
そんなこんなで、今日は鼓くんのお部屋に遊びに来てる!鼓くんが恥ずかしがるところを見たいんだもん!
「なんでだよおおおぉおおお!!」
「「詩帆、うるさい」」
遼介と隆盛、どっちからも怒られて青菜に塩の状態になる。
俺偉くない?青菜に塩知ってるんだよ?!
それはさて置き。
鼓くんは買い出しに行ってて、後から来るらしいんだよ...なんでこんなむさ苦しい男共と待たなきゃいけないんだよぉおお!と嘆いているところです。
「ああもう...癒しが欲しい...」
「ふーん」
「遼介!鼓くんの写真見せてよ!」
「嫌に決まってるだろ」
「なんで!」
「つーくんは、俺のものだから」
「くそぉおおお!自信満々すぎて口答え出来ない!」
がくん...と項垂れる。鼓くんが帰ってくるまでの辛抱だ...俺...。
「つーくんが帰ってくるまであと、1680秒か」
「いやいやいや!怖いな!」
3人で適当に雑談していれば、時間なんて簡単に過ぎていった。
気づけば鼓くんが帰ってくる時間だった。
玄関で開ける音がした途端に、遼介の背筋がピン、と伸びる。
「すいません遅くなって」
入ってきた鼓くんに、遼介はニッコリ笑って全然遅くないよ、と言う。
毎回のことながら、こいつ誰だ、って思う。俺らに対しては(俺だけかも?)結構テキトーな扱いのくせに!なんだその笑顔!俺らにも向けろ!
「つーくん、ほら座って。馬鹿が有難いことにケーキ買ってきてくれたよ」
おい遼介。その馬鹿とは俺のことか?!
「野沢先輩、ありがとうございます」
「全然いいよ〜」
お礼を言う鼓くんにそう言って。
鼓くんは遼介の隣に当然のように座った。そこでふと思ったこと。
「鼓くんって、絶対遼介の隣に座るよね」
「?普通じゃないですか?」
鼓くんは首を傾げて、ケーキをとりわけ始めた。遼介も、特に何も思ってないみたい。
そこで、俺は気づいた。
鼓くんと遼介は『二人は隣り合って座るものだ』とお互いに思っているのだと。
「はぁぁぁぁ...仲いいなぁ二人とも!」
「「詩帆、うるさい」」
またもや遼介と隆盛に怒られた。もう許さん!俺はいじけてやるぞ!
でも...互いに思いあってなきゃできない行為!いいなぁ...
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