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生理男子
side 遼介
つーくんは毎月一度、生理が来る。
打ち明けられた時は、そりゃ驚いたけど...。
涙目になりながら「気持ち悪いですか...?」と聞いてくるつーくんにはそんな気持ち微塵も湧いてこなかった。
そうして今日は、つーくんの生理2日目の日。
3日目以降はそれ程酷くないらしいけど、1日目、2日目は特に頭痛や腹痛が酷いらしい。
「い、ぃ.....う、ァア...」
唸りながらベッドに蹲るつーくん。たまたま土曜日だったから、朝からつーくんはベッドにへばりついていた。
それも頭から布団を被って。
「つーくん、湯たんぽ持ってこようか?」
「ぁ......」
ペラ、と布団を捲ってみると今にも溢れそうな涙を湛えたつーくんがいた。
「いる?」
もう一度聞くと、こくこくと頷く。優しく頭を撫でてあげて、部屋を出た。
「湯たんぽ、湯たんぽっと。あと薬、いるよね......あとは...」
適当に身体を温めるもの等を揃えてつーくんの部屋に戻った。
「つーくん湯たんぽとお薬持ってきたよ」
「あり、が...ッ......」
受け取ろうとして、つーくんの腕がパタンと宙を舞う。力尽きたように見えるけど...、大丈夫かなこれ。
何とか動けたつーくんに薬を飲ませて、湯たんぽを持たせる。それでもつーくんは唸っていて、可哀想になってきた。
「...おいでつーくん」
「せんぱい...」
もしかしたら人肌の方がいいのかも......と思って一緒に布団に潜り込んでみる。可愛らしいことに、つーくんは擦り寄って来てくれた。
「よしよし、いーこいーこ」
「ん...」
腰を摩り、頭を撫で、エロさのないキスを送る。
するとつーくんは少しして静かに寝息を立てて眠ってしまった。
寝顔はとても安らかでやっと薬が効いた事がわかる。
あと、人に抱きしめられて安心したのかもしれない。今まで1人で頑張ってきたから。
「つーくん、おやすみ...」
つーくんの寝顔を見てたら、俺も眠くなっていつの間にか眠ってしまっていた。
fin
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