4 / 13

ポッキーの日

side 鼓 先輩が野沢先輩からポッキーを貰って帰ってきた。 多分、11月11日ってことで「ポッキーゲーム」をして楽しめってことなんだろうけど。 「『鼓くんと楽しんで!』って言われたんだけど、お菓子で何を楽しむんだろうね」 先輩はそういう系には疎いから、意味ないと思う。野沢先輩も教えなかったのが悪い。 「味を楽しめ、って事ですかね」 「...意味がわからない」 眉を顰める先輩に心の中で謝る。あと野沢先輩に感謝。 すみませんが、俺はポッキーゲームなんて恥ずかしいからしたくありませんので。何卒お許しを。 野沢先輩、教えないでくれてありがとうございます。 「じゃ、素直に頂こうかな」 「そうですね」 神は俺に味方してくれたらしい...。ありがとう。 先輩がポッキーの蓋をパカリと開ける。 「ん?ポッキーゲーム」 前言撤回。神のクソ野郎! 蓋の裏に説明が書いてあった。「11月11日はポッキーゲームの日!恋人とあま〜い1日を過ごそう!」 「ポッキーゲーム...............つーくん、何か知ってるよね?」 その知ってるよね?は決定事項の知ってるよねですよね? それに加え、俺は先輩程上手く隠すことが出来ない。 結果。 惨敗。 「へぇ〜!そんな楽しいゲームがあるんだ」 「......」 「じゃあやろっか。つーくんは甘い方とクッキーの方、どっちが好き?」 「...............やら「ない、は選択肢にないよつーくん」......、」 笑顔で、無理矢理説明させられた。 「クッキーが、いい...です」 「ん。素直でいい子〜」 先輩がチョコの方を咥える。え、なんでだろう、ポッキー咥えてるだけなのにエロい。 「ふーふん(つーくん)?」 「や、やっぱり、」 「ふぁ〜め(だ〜め)」 ずい、と顔を近づけられ強制的にクッキーを食べさせられる。 サクサクと、子気味のいい音が.........通常の2倍の速度でやってくる。 はや、早すぎではないですか?! 「ん、ん〜?!」 俺は何もしてないのに、先輩の顔が目の前に来る。 これ、ポッキーゲームじゃな... 「〜〜〜〜〜〜ッ!」 ルール完全無視のポッキーゲームは俺の負けに終わった。俺が唇が触れる前にポッキーを折って逃げたから。 「あ、こらつーくん!」 「や、やです!もうしません!」 「逃がさないからね......」 「来ないでください!」 fin

ともだちにシェアしよう!