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それでも進学を諦めなかったのは クソ野郎共のせいで人生を棒に振りたくなかったから。 母親をもう泣かせたくなかったから。 でも我慢なんてできない。 未来だけ見つめて、辛抱強く目の前のたった一つの机に向かえるほど強くなれなかった。 だから新たな環境に飛び出した。 寮に入ると言ったら母親も少しだけホッとした表情を浮かべたんだ。 中学時代が尾を引いて、人とうまく関われないのも もう諦めよう。 母親も父親も分かってくれる。 授業はサボりがちだけど、成績は落とさなければいいんだ。 現に、高1から申し分ない成績らしい。 だから去年通り今年も。 来年も。 それから先も。 「鳥羽くん、じゃあね。また明日。」 だから、あの笑顔が目の前をちらつくのも。 汚い感情が一切混じらない あいつの優しい声が耳から離れないのも。 全部全部。 俺にはいらないものなんだ。

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