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喉の奥でえずくほど咥えさせられながらバックで腰を振られたり、騎乗位でペニスに突き上げられながら手で扱かされたり、
息をする間もないほど、性欲を持て余した男の都合で色んな体位にされながら、前後からの刺激に何度もイかされ、感じさせられて泣きじゃくる姿。
何の力も入らない身体は、崩れ落ちそうになる度に尻や脚を掴んで持ち上げられていた。
気絶しても容赦なく犯されて目覚めさせられる、…その繰り返し。
さすがにもう流羽の体力が限界を超えている。
本来なら今すぐにやめさせて、眠らせてあげるのが一番良いんだろう。
…けど、最後にもっと気持ち良くしてあげたいな。
「るう」
「……っ、ぁ、」
名を呼べば、汗や精液まみれな顔に不安を滲ませながら、かろうじで嬉しそうな表情を滲ませてこっちを向く。
「そろそろ、終わりにしようか」
その可愛らしさにまた言いようのない感覚を覚えながら、安心させるような笑みを浮かべた。
すると、言葉に対してよりむしろ俺の顔を見て、って感じに返ってくるふにゃりとした精液に塗れた笑顔。
それを見て、口を開く。
「流羽に突っ込んでる男にやってほしいことがあるんだけど」
「なーに?」
「アレ、してあげて。後ろから身体持ち上げて何回も突っ込むやつ」
「…っ、!!」
俺の指示した言葉の意味がわかったのか、男の性器を喉まで咥えさせられようとしている流羽の身体がびくりと震える。
「流羽の大好きな体位だよ。俺としたとき、何回もイって凄い喜んでたよな」
好きって言ってた体位を、他の男にやらせる。
…俺に嬉しそうに笑ってキスをして、…愛しているように見せかけながらした行為を別の男にさせる。
明らかにそれを上書きするためだけの命令に、「……や、…だ、…っ、ぉね、…が、っ、」愛玩人形のように喘ぐだけになっていた流羽が、喉の奥を震わせ、形になりきらない拒絶の声を漏らす。
「はーい」と楽しそうにニヤッと笑った男が、
「康太。るうくんの口からちんこ引き抜け」
「ちぇ、わかりましたー」
「…ぅ…げほっ、げ…っ、…は、ぁ…っ、」
目で合図された金髪男がチッと悔しそうに舌打ちをして、ずるりと精液まみれのそれを取り出す。流羽の舌との間にネバネバの白濁液が糸を引いていた。
永遠と続けられていた快楽的で苦痛しか生じない行為の、ほんの一瞬の休息。
しかし、流羽にそれ以上の休む時間は与えられない。
腰に回した腕で一気に身体を起こされ、立たされる。
勿論度々の行為により力の入らない流羽の脚は震えて体重を支えられない。
挿入したまま引き上げられたことでナカが押し上げられたのか、びくんと大きく痙攣して流羽の全身が震えた。
ほとんど空になっている性器からは、かなり色の薄い精液がほんの少しだけ零れ落ちる。
恋人の俺ではない。
他の男に抱き締められてペニスをずっぽりと突っ込まれながら、
後ろから腹を抱きかかえられ、いとも簡単に流羽の両脚が宙に浮く。
性器を挿入されたまま、腹と太腿を腕や手で支えられながらだっこされるように軽く持ち上げられて、その瞳が恐怖に見開かれた。
がばっと脚をかなり大きく開かされたまま浮かされ、落ちないようにとその両脚は反射的に後ろの男の脚に外から抱き付くような形になる。
「いっく、よー…っ!!」
「…ッ、ぁ、あ゛ぁぁぁ…っ、!!!」
喘ぎ声が、叫びに変わる。
その背後からぶちこまれていた性器に物凄い速さで肚内を擦り上げられ、突かれ、角度を変えながら抜き差しを繰り返されると、淫音は一層激しくなった。
無様な格好をした流羽の身体がガクガクと揺れる。
放置されているペニスも上下に大きく揺れていた。
丁度こっちに顔が向いているから、その表情がどんどん蕩けて意識がトんでいくのが手にとるように把握できる。
いつもなら
犯される自分の顔を見られるのを嫌がって俺から目を背けるはずの流羽は、そんな余裕もないのかだらしなく開いた唇から大量の涎を零していた。
「――ッ゛!!!??イひ、らくな…っ、も…っ、イひ、ら…ッ、ぁ゛ひ、ん゛ぁ゛ぁあ…ッ、!!」
すぐにイッたらしい感度の良い身体は痙攣し続ける。
それに対し、男は何度流羽がイキつづけても構わず、自分が射精できるまで無我夢中に腰を打ち付けた。
パンパンパン、と腰と尻が勢いよくぶつかる音。
より速度を増した男の動きが一瞬遅くなって、はぁ…っと熱い息を吐いた。
ぶるぶると腰が震えているところをみると、その肚に今日いる男全員で十数回目になる精液を吐き出しているんだろう。
欲を吐き出されると同時に、受け入れている身体もびくびくと震える。
開いた唇からは、たえず飲みこめなかった唾液が顎を伝っていく。
ぐぽ……、と音を立てて抜かれた半勃ちになっているペニスを覆うゴムの被膜の先端は大量の精液ではち切れそうにぶらさがり、外れかけていた。
「流羽」
…その名を、優しく呼ぶ。
椅子から立ち上がって、床に崩れ落ち、ひくんっ、ひくんっと跳ねている身体に近づいていく。
「…っ、ん、ぅ…ゆぅ、ひゃ…」
呼びかければ、最早焦点のあってない瞳がぼんやりとこっちを向いた。
男がペニスを引き抜き、こぼり…と新鮮な白濁液が孔から糸を引いて零れるのが見える。
その頬には泣いた跡が幾つもついていて、今も新しく痛々しい跡を刻んでいた。
俺が頬に触れると、ほうっとしたように表情を緩める。
そんな変化に、ぎゅうと胸が締め付けられたように痛くなった。
「…(こんなにぼろぼろになって、好きでもない男に犯されて、穢されて、)」
それでも流羽は…俺だけを求めてくれる。
今日ずっと、
見て見ぬふりをしていた手が、また伸ばされた。
「…っ、………ぁ゛、………、ぅ……さ………」
今度はちゃんとそこに触れて、指を絡めると
凄く幸せそうな笑みを零す。
耳元に唇を近づけ、
るう、と小さくもう一度呟く。
「…愛してるよ」
言葉自体に何の意味も特別な価値もない。
形だけの、耳障りの良い甘い台詞。
嘘に聞こえないように、息を吐くように囁いた。
その瞬間、
「…っ、」
びくんっ
……今日一番ってぐらいに白濁液に汚れている身体が震える。
「…ふ、ふへ…、…おれ、も…」
泣きそうな顔をくしゃっと歪ませながらそう返してくる流羽に、目を伏せた。
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