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Anniversaire 2

「あの、清美さん、なんて?」 「お前に食わせてやれってさ」  二人がいないので自分が座るはずだった場所に関町を移動させ、自分は清美の場所へ座ることにした。 「あの、ワイン持ってきました」 「リースリングか」  辛口の白ワインだ。煮込んだ鶏肉料理に合う。 「ワインがお好きと聞きましたので」 「あぁ。俺もヴァン・ルージュを用意しておいたのだが、これを飲もう」  赤ワインを受け取り、戸棚からワインクーラーを取り出して氷と共にワインを冷やし、ワイングラスを二つ用意して置く。 「料理、持ってくる」  ナツメの好きな鶏肉料理。手間をかけて煮込んだ肉は柔らかく美味しくできた。  それをフランスパンと一緒に食べるのが好きで、龍之介の気に入っているパン屋で買っておいた。 「うわぁ、美味しそうですね」 「ナツメの誕生日だからな」  羨ましいというのを隠さず、テーブルの上の料理を眺める。  関町とナツメの誕生日は一週間違いで、一緒に食事でもと誘われた。  行く気が無いのできっぱり断ったのだが、店に押しかけてきて追い返そうとしたら客だと開き直った。  隙あらばどうにかして食事に誘おうと思っていたのだろう。だが、タイミングよく客が訪れて忙しくなった。  流石に邪魔になると思ったのだろう。結局、自分で誕生日用のケーキを購入して帰って行った。  だが、ナツメには手の込んだ料理を作ってお祝いをしようとしていた。関町にとっては羨ましい限りだろう。  もしかして実の弟を差し出して、関町の誕生日プレゼントに、なんてありえそうで怖い。  弟よりも可愛い後輩。清美を恨みつつ、ワインクーラーで十分に冷えたワインを取り出してふたを開けてグラスに注いだ。

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