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Rivale 3
一緒に飲むかどうかは別として、先ほどの事を謝るために連絡を入れる。
「そんなの気にしないでよ」
「いえ、お客様に対して失礼な態度でしたから」
「そうだよね、接客業だものね。わかった。じゃぁ、俺に付き合って。それでチャラね」
と、実は店の近くに来ているのだという。
「え、どうして」
「龍之介の家に行くから連絡が無くてもお誘いしようと思ってね」
店の外へと出ると紙袋を持った長谷が外に立っていた。
「長谷さん」
「ボンソワール、関町君」
「あ、えっと、ぼんそわーる?」
「あはは、なんで疑問形なの」
一緒に歩き出す。
「頂いた名刺に花の絵があったのですが」
「あぁ。オルキデ、蘭って意味。だから蘭の花」
「そういう事だってんですね」
「しかも、フランスって、漢字表記だと仏蘭西って書くじゃない? だからフランス語で蘭でいいじゃないのって、従弟が名付け親。花屋なら解るけどさ、適当だよね」
と、肩をすくめる。
確かに店の名前は大切な看板。安易につけられてもと思う所だろうが、結局はそれを採用しているのだから長谷も悪くないと思ったのか、それとも深い意味があるのか。
「龍之介だってさ、名字が佐藤だからって、店の名前がLe・シュクルだし」
「それに関しては何も言えません」
名前と甘いという事をかけて店の名前にした訳だし、長谷の従兄弟よりはましだろう。
「長谷さんは、そう言いながらも店の名前、気に入ってるんでしょう?」
その言葉に驚いたのか、目を瞬かせて関町を見る。
「うん、良くわかったね」
そしてふわりと優しげな表情を浮かべた。
なんて良い顔をするんだろう。思わず見惚れてしまう。
狙った相手をいとも簡単に落としてしまいそうだ。関町は苦笑いを浮かべつつ長谷から視線をそらした。
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