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Monopoliser
長谷がインターホンを鳴らすと直ぐに龍之介が応対する。押した相手が関町であったら嫌味の一つは吐かれていた事だろう。
玄関のドアを開けた瞬間、龍之介と視線が合う。その表情は瞬時にして嫌なモノを見たとばかりに曇る。
「関町がなんでいるんだよ。ていうか、長谷さんといつの間に仲良くなった」
「今日、お店にいらして」
「姉から聞いている」
何をしたんだと、まるで責めるように見ている。まぁ、実際にやらかしてしまったのでその目に気が付かないふりをするが、
「実は、嫉妬されちゃってね」
店での出来事を、あっさりとばらしてしまう。
「あ、長谷さん」
それは言わないでほしかった。龍之介が眉間にしわを寄せる。
「あれは挨拶だっていっただろ」
耳をつかまれ、上れと引っ張られた。
「痛いです」
手は離してもらえたが、冷たい目つきのままだ。
「長谷さんもおあがり下さい」
しかも長谷に対しては笑顔を浮かべるのだから、その対応の違い差に泣きそうだ。
「おじゃまします」
長谷にまるで同情をするかのように軽く背中を叩かれた。
リビングに入るとテーブルの上にはワインクーラーと食器が二人分用意されている。
もともと、関町は龍之介にとって招かれざる客だ。
「長谷さん、こちらにどうぞ。関町はここに座れ」
と本当は龍之介が座ろうとしていた場所を指さす。
「あ、はい」
「龍之介、これ約束の」
ワインを手渡すと袋から出す。
「ヴァン・ルージュ(赤ワイン)」
ワインクーラーが空だったのはそういう理由。持っていくと二人の間で約束していたのだろう。
知らない遣り取りもだが、ワインの事は詳しくないので余計に胸がもやもやとする。しかも、龍之介がそれを気に入った事だけはわかった。
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