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第6話

アイツと仲良くなるのにそう時間はかからなくて 大学で会うと必ず話しかけてくれる、隣には必ずあの人がいるけれど バイト終わりは一緒に帰ってくれる、必ずあの人の話はするけれど そのときに必ず、俺じゃない【ナナミ】って名前をきくと、やはり苦しい 分かっていたのに、分かっていたはずなのに 欲ばってはだめなのに、自分が望んだことなのに 俺達はタダの最近仲の良くなった先輩と後輩の関係でしかない、そんなこと分かってる 俺がどんなにアイツの近くにいようと、アイツの心の中にはあの人がいるなんてことは 苦しいけれど悲しいけれどアイツといっしょにいれるのであれば、アイツが【ナナミ】とよんでくれるのであればこれでいい そんなふうに思って割り切っていたのに そしてある日、俺達の関係を変えてしまうことが起こった 俺はこの日を今でもずっと後悔している 「好きだっ、直人...っ」 アイツに抱かれながら耳元で囁かれた名前は俺が言ってほしい名前ではなかった 俺はあの人にはなれない そんなこと分かってる

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