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第14話

「今日はゆっくり休めよ その代わり明日はきっちり今日の分働い てもらいまーす! だから安心して気にせず寝ろよな」 アイツから送られてきたラインに目頭が熱くなる なんで、どうして、こんな俺なんかに優しくするんだよ 少しだけ履歴たどると俺を呼び出すときのそっけない文章だけなのに 俺がバイトとかで傷ついたり、元気がないときにはこういう心配した言葉や連絡をくれる アイツには気づかれないようにしようと思っているのに そんな中途半端な優しさなんていらないのに いっそのこと嫌いになりたい、なのにアイツはそれすらもさせてくれない 自分勝手で、いい加減で、 そしてたまらなく優しい だからもっと好きが増えてくる 大原尋が、、、尋が、新人として入ってくるときいて分かりやすいくらいに顔色が悪くなった俺に気がついたあいつはすぐに俺を早退させた 俺も食い下がったけれど、アイツはそんな俺に言った 「気にすんな、早く家帰ってさっさと寝ろ」 ふたりでいるときは、俺が、大塚七海としているときはそんな優しい顔しないくせに、、、 勘違いしてしまう、俺に優しくしてくれてるって 色々な不安があるのに、アイツがくれた優しさで全部忘れちゃいそうになる それと同時に涙が溢れてくる あの日、アイツに抱かれた日以来泣かなかったのに どんなに冷たくされたって、あしらわれたって泣かなかったのに 「ははっ、結構弱ってんのかな、俺」 これから何があるか全く予測なんてできないけど、どうか今日は、俺が【ナナミ】を演じてることも、アイツが思う名波さんのことも、もうすぐ会うことになるであろう尋のことも全て考えないで 今日はただアイツの優しさにただただ浸っていたい そして、逃れることはできない来週が刻々と迫ってくる 「七海、だよな」 多分、お互い望んでいなかった再開の日が

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