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第6話

 身の振りは卒業まえに確保してあった。  ゲイであることがばれる原因となった先輩のアパートに住まわせてもらう。彼らが起こしたトラブルとは端的に言えば性行為、空き教室で行為に耽る様子を教師に見つかったのだ。  学生が校舎で性行為など許されないことだ。  しかしながら当事者のふたりが同性であるのは異例であったため、外部に漏れることを怖れた学校サイドはそれを隠し、何事もなかったかのように一件は終結する。  当然ながら校長を中心に両親を呼び出しての三者面談となったが、両家間の争いもなく程なくしてふたりの犯した過ちは水に流されフェードアウトした。  一般的に考えても息子が同性愛者であると知ればショックが大きいはず。けれども今回すんなりと話しがまとまったのは、彼の父親がことを荒げたくなかったからだった。  周防と恋人関係であった先輩の父親は大手ゼネコンの取締役であり、はやい話が保身に走ったのだろう。また息子が淫奔であるのも了知だったため、妊娠と殺人さえしなければ御の字という構えだ。  過去にも息子の女関係でひと悶着あり、その都度示談金を積み泥を塗られるまえに本を断つ。今は好きなことをさせ遊ばせてやり、然るべき日には跡取り息子として責任を果たしてもらうというのが両親の考えだった。  大学に進学するに向け近場にマンションを買い与え、息子の告白により周防との同棲も許可をしたらしい。当然ながら周防の両親には内密にという、水面下でのやり取りがあった。  周防の彼氏はゲイではなくバイだ。どちらかといえば女好きが勝るようで、今は男に執心とあり考えようによっては好都合だ。  親からすればマンションに女を連れ込まれ、妊娠をさせた挙句に結婚を迫られなくて済む。それならば就職するまでの四年間、彼氏という名の悪女の盾になってもらえば一石二鳥。  卒業後は何なりと処置を取り別れさせてしまえばいいという二重の計画だった。

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