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第7話

 周防たちの関係は良好、楽しい大学生活を送る。  けれど四年を経て大学もあと幾許かで卒業という時期になり、突然どうしたことか彼氏の態度がおかしくなった。明らかに冷たい態度、無視や避けられる日も多くなる。  いったい何があったというのか。不満があるなら言って欲しいと周防は彼氏につめ寄るが、相手はのらりくらりと詳しくを話さず逃げ腰。  自分に落ち度があるのではと省みてはみるもの、ここまで彼氏の態度が豹変するようなことをした覚えがない。少なくとも現時点では周防にとって青天の霹靂としか言いようがない。  そのうち自分のマンションにも戻ってこない日も多くなり、これはもしかして浮気か──と考えるようになる。もとは彼氏の好みは女のほう、男の自分では満足できなくなったのかも。  そんな鬱屈と妬心に苛まれる日がつづき、とうとう耐えられなくなった周防は大学で彼氏を捕まえ問い質した。そして最後に返ってきた言葉は「別れよう」だった。  まだ周防には未練もあるが、この先ずっとつき合っていても生産性がない。所詮は男同士のつき合いなどまやかし、恋人ごっこの疑似体験に過ぎないと言われてしまう。  未来を見据えた先に立つのは周防ではない、しっかりと家庭を支える女性でなければ俺のとなりに立つ資格はないとまでは吐かれてしまった。  彼とは高校から数えて六年のつき合いだ。その間には彼氏の浮ついた心によってクラスの女子をつまみ食いされるなど、傷を負わなかったと言えば嘘になることもあった。  けれど男しか愛せない自分の許へ最後は帰ってきてくれた、それだけで周防には彼氏を絶対的な信頼を寄せることができたのだ。  だがそれも終わり。  今は浮気相手の女性宅に身をよせている、もちろん周防の存在は話してはいない、身の整理をしたのち彼女とマンションで同棲したいから転居先をみつけ出ていって欲しい。  最愛の彼氏に最後通牒を突きつけられてしまい、心を木端微塵に砕かれた周防は存在自体を殺されてしまったのだった。

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