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第24話

 中学生のとき初めて周防は自分の性癖を知った。  それは何気ない友達の会話から。なんのことはないグラビア雑誌がヒントだった。女性のタイプなど熱く語る友人の会話に耳を傾け、ふと雑誌に目をやった。  もともと性に対する興味は淡白な方だとは思っていたが、初めて目にした雑誌のなかで微笑む女性の胸を目にしても何も感じず、自分はふつうではないと感じた。  小作りで綺麗な顔を持つ周防は思春期に入ると女子から声をかけられることも多かったが、一度として心を動かされることはなかった。  けれどクラスの男たちは女子の身体に興味を抱き、彼女ができたと自慢する者もちらほら耳にする。そこで自然と悟ったのだ、自分がゲイなのだと。  絶望や羞恥といった感情はなく、別段後ろめたさも抱くこともない。女子に心惹かれることはなかったが、心を奪われる男に出逢うこともないまま過ごす。  そして初めて心の底より好きになった男が現れ、六年のあいだに生と死を味わわされた。もう二度とひとを好きになることはない、生涯ひとりで過ごそうと決めた矢先にまた───

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