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第71話

「──これからお話することは、周防さんにとってとてもショッキングな内容かと思います。ですが彼女との結婚を考えるのでしたら、お話せざるを得ません」 「……それはどういった内容で」  こめかみからつたう汗。まさか結婚契約の書類を作成してもらうだけのつもりが、弁護士に脅されたうえ逃げ腰になるような心境にさせられるとはよもや思いもしなかった。  初めは引きつるだけの表情だった周防は、けれど弁護士の話を聞くうち(おもて)は色を失い強張っていく。弁護士の口から爆弾が投下される。 「西園寺 藤隆様と水緒様は血を分けた兄妹です──」 「は……ああっ!?」  予想外すぎる情報に周防は驚愕した。  弁護士事務所に訪れるまでに様々なパターン予想を周防なりに考えてはいた。もちろんまえもって最悪な展開を自ら想像しておくことで、実際に聞かされても息の根が止まる衝撃から回避するためだ。  だが現実はどうだ。目玉が飛び出そうなほどに驚いたばかりか、あまりの荒唐無稽な話に目のまえで語る弁護士がまるで宇宙人にでも見えてくる始末。  ちょっと待ってくれ、その話はほんとうかと確かめたいのは山々だが、これも仕事とばかりに淡々と語る弁護士をまえに二の句が継げず、半ば放心したように真実を聞かされる。

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