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【番外編3】利人と白衣〈掌編〉

=本編終了後の平和な夕利の話=  先程たまたまモデルの仕事で近くに来ていた夕から早く終わったから会いたいと連絡が入っていた。  大学にいた利人は作業が終わると急いで資料室を出て待ち合わせ場所である正門へ向かう。そして夕の姿を見つけ安堵すると共にぎょっと目を見開かせた。  身長の高い夕は目立つ。しかし現在その周りを女子大生がぐるりと囲んでいた。 「利人さん!」  ぱちりと目が合うや否やサングラスを掛けた夕の口元が綻ぶ。容姿端麗でモデルもしている夕が異性に囲まれるのは割とよくある事だ。  女達の輪を抜け出して足取り軽やかに駆け寄ってきた夕はサングラスを傾けじっと利人の身体を見下ろした。 「白衣だ!」 「えっ、ああ……出土品の整理してたから」 「待って脱がないで、利人さんの白衣姿レアだからそのままよく見せて」 「ええ……って待て待て画像を撮るな!」  そういえば着たままだったと脱ごうとして止められる。スマートフォンを翳しながら舐めるように見つめてくるその視線は真剣だ。 「白衣……良いな……」  顎に手を当て目を細めるその姿は恰好良いのに頭の中が余りにも残念だった。

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