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両片想い13

☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。  イったばかりのブツをスラックスから出したままという信じられない姿で、慌てふためきながらバスルームに逃げ込んだ。勢いよく扉を閉めて、カチャッと鍵をかける。  中途半端に絶頂を迎えたせいで、躰の奥に熱がこもっていた。アイツの大きくなったモノを挿入する部分が無駄にヒクついて、物足りなさをこれでもかとアピールしてくる。  好きな相手に抱かれる悦びを知ってから、無意識に壮馬を求めてしまった。さらなる快感を得ようと、何度想いを告げそうになったか――。 (好きだと告げたら、間違いなくふたりそろって、奈落の落とし穴に向かってしまうだろ。壮馬は生粋の坊ちゃん育ちで、会社の後継者になる身分。落ちるなら俺ひとりで十分なんだ)  不幸を伴う苦労を、壮馬にさせたくない。自分が一度味わっているそれを、何としても防いであげなければ。  俺がゲイになった転機は、高校2年のときだった。  パートに出ていた母親が、妻子ある男性と浮気した。それに気づいた父親が激怒し、離婚届を突きつけて家を出て行った。  身勝手な行為をした母親に巻き込まれた形で、俺も一緒に父親に見捨てられた。母親同様に外人の血を引く俺の顔を、きっと見たくなかったのかもしれない。  それまでの裕福な生活ががらりと変わり、バイトを何件もこなしながら、学校に通う毎日――忙しい日々を送るうちに、どんどん成績が落ちていく。  それと同時に付き合っていた彼女にも振られ、失意のどん底に陥った。 (どうしたら楽して、お金を稼ぐことが可能だろうか)  考え込んだそのとき、通学に使ってる満員電車で、何回か痴漢に遭ったことを思い出した。  当時ヤケになっていたのもあり、自分の躰を売ることについて、罪悪感はまったくなかった。

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