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両片想い35

「好きな男の顔くらい、いつ見たっていいだろ。俺ので感じて、顔を真っ赤にしてる鉄平が好きなんだ」  普段は俺にやり込まれるのに、こういうときだけは優位に立つ。そういうところも、憎らしいくらいに好き。 「んっ…は…ぁっ……!」 「そんな物欲しそうな顔して啼かれたら、朝一で会議があるのを知ってるのに、ほどほどになんてできるわけがない」  壮馬の動きに合わせて、俺も腰をしならせた。コイツにこれ以上、好き勝手なことをさせたりなんてしない。負けないくらいに翻弄してやるんだ。 「ちょっ、いきなり」 「ふ、あぁ……、好きな男を感じさせて、やりたいんだっ、分かれよ」 「そんなことされたら、俺だって鉄平をもっともっと感じさせたくなるじゃないか。せいぜい、明日の心配でもすればいいんだ!」  持ち上げていた膝裏を投げ捨てるように下ろし、左右の肩をベッドに押しつけるように掴まれた。 「くぅっ! 明日の心配って、何をする気だ?」 「とりあえず最初は正常位からはじめて、鉄平の反応を見て他にもいろいろ試してみようかなぁって」  嫌なしたり顔をしながら告げられたせいで、容赦なく責められることが分かったが、時すでに遅し――。  パンパンという肌と肌がぶつかる音が部屋中に響き渡る中で、俺が快感に身を震わせているうちに壮馬が達したのだが、息つく間もなく淫らな行為が続行されたのだった。

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