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なおしたいコト7

 何かあってドアを開けられたりしたら、目の前でおこなわれている俺たちの行為を、やって来た相手に思いっきり見せつけることになる。  恋人が秘書をしている時点で、あることないこと勘繰られてもおかしくない環境だからこそ、細心の注意を払わなければならない。  壁に耳あり障子に目あり――どこかにカメラでも仕掛けられていて、それを週刊誌なんかのメディアに売られた日にゃ、革新党にも迷惑がかかってしまう。  俺は克巳さんの手を握りしめている両手の力を、ぎゅっと込めた。 「本当に、これ以上は勘弁して」 「ココをこんなに変形させて我慢してるくせに、随分と冷たいことを恋人に向かって言うんだね」  意地悪な笑みを浮かべながら、室内に響き渡るようなに音の鳴るキスを、わざとらしさ満載で、俺の頬に落とす。 (克巳さんらしくない煽り方だな。いったい何を考えているんだろう?) 「今の克巳さんは、恋人じゃなく秘書でしょ。卑猥なお誘いは、お断りということでOK?」  厳しい表情を作り込み、上目遣いで彼を睨むように見つめた。 「ところで陵、君は今いったい、何の仕事を手がけているんだろうか?」  俺に睨まれているというのに、そんなの関係ないという感じで訊ねてくる。 「仕事?」 「ああ。俺が声をかける前に、やっていたことは何だい?」 「……えっと確か。ん~、あれ?」  股間をお触りしている克巳さんの手を両手で握りしめたまま、首を傾げながらしばし考えを巡らせた。傍から見たら、マジでバカっぽい姿だろう。 「陵、これが国会でおこなわれる質疑応答中だったら、どうなっていたと思う?」 「克巳さん?」 「それくらいに、君の思考能力が低下しているということなんだ。理解してくれ」 「あ……」  握りしめていた両手の力を抜き、やんわりと手を放したら、逆に俺の右手を掴んだ克巳さん。

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