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悪い男
今日は聖バレンタインデー。女のコが好きな男に、想いを込めたチョコを渡す日。そんな大切な日なのに――。
「あっ、あっあぁっ!」
俺の中をバックでめちゃくちゃにしているこの男には、すごく可愛い彼女がいる。
「おまえ、相変わらず感度いいよな」
男は喉の奥で笑いながら、背後から筋肉質な二の腕を胸元に伸ばした。そのまま乳首を指先で転がす。
感じさせるように肌をなぞる手や腰使いだけで、今まで散々遊び倒してることが分かった。元カレ相手では、こんなに感じたことがない。
「はぅっ…あっ…あっ」
挿入されただけでイキそうになるのは、この男と寝てからだった。それだけ、相性がいいのだろう。
「ちょっと触っただけで、乳首を固くして。しかも感じるたびに、中がすげぇ締まる。エロい躰してんな、那月」
背中でいやらしく笑う感じが、吐息にのって伝わってきた。
「んっ…きもちぃ…ょ。もっとし、てっ…ンンっ!」
喘ぎ混じりに、淫らな啼き声を上げる。するとリクエストに応じた男は、さらに動きを早めた。
「うっ、くっそ、腰止まんね……」
男の動きと比例するように、卑猥な水音とベッドの軋む音が、部屋の中に響き渡った。
「あっあっ止め、ちゃ、やあっ…いっぱぃ突いて」
耳に聞こえるギシギシという大きな音に合わせて、俺も腰を振りまくった。
「分かってるっ、締めんな…っ」
胸元にあった腕が腰に添えられ、これでもかと男のモノが出し挿れされる。激しく貫かれるたびに、太ももにまでローションが滴って、お互いの下半身を淫らに濡らした。
ずっと我慢している熱が、分身にじわりじわりと集まり、吐き出したくて堪らなくなる。
「あっ…んんん、またっ!」
「ん、イけよ、っ俺も…」
「アアッ!」
「うっ…!」
どくんどくんと脈を打ち、中でイッた男の感触を確かめながら、自らも欲をシーツに向かって放出した。
(俺の中で盛大にイったあとに、これから彼女と逢ってヤるんだろうな……。受け取ったチョコのお礼をすべく、彼女を感じさせるために念入りに愛撫して、とことんまで感じさせるのか。ここで一発抜いてる分だけ、余裕ありまくりだろ)
一気に覚めていく頭の中で、このあとおこなわれるであろう男の行動を、自動的に思い描いてしまった。
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