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抗うことのできない恋ならば、いっそこの手で壊してしまえばいい60
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(ベニーの気持ちを知っていながら、僕は酷いことをしている――)
国王様から任された紅茶畑を定期的に視察しながら、アーサー卿と逢瀬を重ねた。現地に行く際はベニーがハンドルを握り、紅茶畑に送ってくれた。
現場で仕事をはじめるやいなや、アーサー卿が満面の笑みを浮かべながらどこからともなく現れ、用事があると称して僕を連れ去った。ベニーの役目はここまでで、彼はいつもひとりきりで屋敷に帰る。
ローランドは隣で急かすアーサー卿の誘い文句をかわしつつ、なんとか仕事を終えてから別荘に招かれ、次の日の朝に送ってもらった。
最初は見つめられるのも嫌だったはずなのに、今では視界に入っていないと不安に駆られてしまうくらい、ローランドはアーサー卿に夢中になっていた。
「俺を誘うように大股を開いて、自らの手でいやらしく解すその恰好、すごくいいね。そそられるよローランド」
「こんなの、すごく恥ずかしいです。んんっ……、ぁあっ!」
下半身から出る、ぬちゃぬちゃという卑猥な水音が、室内に淫靡に響き渡った。はっきりと照らし出すランプの明かりの下で、あられもない姿をアーサー卿に晒しているのに、気持ち良さに身を任せてしまい、感じるように動く手を止めることがどうしてもできない。
「いいじゃないか、俺しか見てないんだから。その恰好のままでいてくれ。顔を上げて、俺のを咥えてみて」
(どんなに辱められても――嫌なことを強要されても、素直に言うことをきいてしまう。この方を愛しているから……)
「ローランド、ああ、すごく気持ちいい。上手になったね、もっと深く咥え込んで。そう、その調子」
「んっんっ、んっん、っんくっ」
口の中で、アーサー卿のモノか硬度を増していくのを体感するだけで、躰の奥がじんと疼き、弄っている指を締めあげた。
「んあっ、アーサー卿のが早く欲しいです。これで僕の中を、めちゃくちゃにしてください」
ローランドは、感じやすい先端部分をちゅっと吸いながら、舌先を使って執拗にねぶった。ぶるりと何度か躰を震わせたアーサー卿が、苦笑いしながら口を開く。
「だったら自分で挿入るといい。横になってやる」
アーサー卿はローランドの頭を両手で掴むなり、名残惜しそうに何度か激しく出し挿れしてから、ベッドに横たわった。ローランドは息を弾ませて、それに跨る。
秘部に先端をあてがって、ゆっくり腰を下ろした。指とは違う、大きなカタチを味わうように、真ん中まで下ろしてから微妙に上下させる。
「はぁん…いつもより大きい」
「ローランドに逢うまで我慢したからな。感じるだろう?」
「感じて、おかしくなりそうで、す。んあっ!」
恍惚の表情を浮かべたローランドの最奥に目がけて、アーサー卿が下から一気に腰を突き上げた。
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