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抗うことのできない恋だから、どうか一緒に堕ちてほしい39
「あっ…ああん! やぁっあっ…んあっ……」
「弘泰、すごく美味しいですよ。責めごたえがあります」
わざと涎を滴らせて滑りを良くしつつ、水音が鳴るように口淫を続ける。隠しきれない官能を煽る行為に、明堂は両手を伸ばしてベニーの頭を掴んだ。
「んっ…は…ぁっ……! そ、それ以上、はっ…イっ、イっちゃいそぉ」
ベニーの頭の動きを止めようと手を添えたのにうまく力が入らず、傍から見たらもっと激しく動かすアシストをしているように見えることに、明堂は気がつく。それでも自分の両手を、外すことができなかった。
「私の口の中でイって。さあ……」
ベニーはかぶりつくようにしっかり咥えながら上下に動くと、明堂の腰も同じように激しく動いた。ふたりの荒い息づかいと一緒に、ベッドもギシギシと音を立てる。
「ああっ…っも…だめっ! イくぅっ!」
躰を何度も痙攣させて達した明堂に合わせず、スローペースに動きを変えて放出されたものを飲み干した。
「やぁっあっ…んあっ」
すべてを吸い尽くすような愛撫に、明堂の喘ぎ声が止まらない。ベニーの頭を掴んだ手を使ってバシバシ叩き、必死にストップをかける。
「ベニー、せんせっ…もっ出なぃっ! 変になる!」
両足をじたばたしてシーツを引っ掻くと、ベニーの躰が明堂の上から退いた。
「くすぐったかったですよね、すみません。あまりの美味しさに、なかなかやめられませんでした」
「そ、そうだったんで、すか。次はベニー先生の番ですね」
掠れた明堂の声を聞きながら、ベニーはきまり悪そうに顔を背けた。
「私はいいです。さぁ服を着てください」
「ダメです! ベニー先生もイカなきゃ!」
そのまま離れようとしたのに、勢いよく起きた明堂がなんの前触れもなくベニーのモノを掴み、感じるように扱きはじめた。躰の中に残った熱を表すような、明堂の容赦ない手元の動きのせいで、ベニーは退くことができなかった。
「ちょっ、弘泰っ。我慢しているというのに!」
「僕の口で、ベニー先生のを気持ちよく――」
言いながら自分のモノに顔を寄せてきた行為を止めようと、ベニーは大声で叫んだ。
「そんなこと、君にさせられません!」
「好きなのに?」
大きな声を出したベニーとは対照的に、明堂は囁くような声で言の葉を紡ぐ。告げられたセリフが信じられなくて音を出さずに反芻してから、思いきって訊ねてみた。
「私を……好き?」
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