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第38話

相手がシャワーを一緒に浴びようと誘ってきたが、一度会社に戻って契約の取引の結果をプログラムしなくてはならないからと断り、怠い身体に汚れた衣服を身に付けて鞄に契約書を入れて、俺はホテルをあとにした。 会社に戻って課長のデスクに契約書を置いて、その契約上に必要なことをパソコンにプログラムしてから、仕事中の一二三にLINEをした。 接待で飲ませられ過ぎた 一応終電で帰れたが、家のことは何も出来ないと思う 明日は有給取れたから、昼間で休む 俺の部屋には入らないでくれ 身体を洗ってベッドに部屋に篭れば、一二三にはきっと気付かれない。 気付いても俺が悪いと言えば良い。 「……やっぱり、俺はお前じゃなきゃ」 一二三の近くだから溺れても今まで生きてこれたんだ。 けど、一二三はきっと俺がいるからここまでこれたと笑って言うんだろう。 一二三との関係を壊したい。 少しでもいい、先に進みたい。 でもそれは俺が『あれ』を告白しなきゃならないことになる。 『悪酔いしても記憶はある』なんて、今更どんな顔をして言ったらいいのか。

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