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第7話
「んー、ん、んんっ!」
溝が刻まれました嘴が乳首に食い込んで、じんじんと疼きます。とは申しましても、一概に痛いとは言い切れません。
その疼きは、むしろ情欲を高める効果を秘するもの。胸元を中心に全身に広がっていき、内奥のある一点に収斂 されます。
ああ、半端にこねくり返されて、かえって飢餓感がつのるようです。花筒全体が旦那さまを恋しがって、さめざめと泣いております。
焦らされて焦らされぬいて、気が狂 れるようです。旦那さまの足下にひれ伏して、草むらに頬ずりしたいのです。
砲身を口中にお迎えして殿方がそそり立ってゆく感触を味わい、濃厚な雫をすすることを許されましたなら、どんなにか幸せなことでしょう。
留め金にいたぶられて、乳首が茱萸 のように赤く色づきます。とろん、と瞳が潤みます。
サカりがついた牝猫のごとき、浅ましいありようです。うなだれますと、鞭の先で頣 を掬われました。仰のくように促されて、おずおずと顔をあげます。
「どうだ、朋貴の土産のつけ心地は。背筋を伸ばして、鏡で確かめてごらん。ルビィの紅 が、おまえの雪肌によく映える」
「綺麗なブロォチだろう? 使用人の給金では、一生かかってもまず買えまいよ。留め金を彩る紅玉は、鳩の血 と呼ばれる最高級の宝石 さ」
にこやかに口を挟みますと、朋貴さまは懐手をなさって、ぶらりぶらりと歩み寄ってこられます。
ご兄弟が木馬を真ん中に置いてたたずみ、目配せを交わされますと、何やら妖気のようなものが漂います。
一体、この先どのような展開が待ち受けていることでしょう……。
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