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第14話
罪深いゆえに、かえって淫楽の虜になってしまうのでしょうか。ぷっくりと膨らんだ乳首は留め具に、茎は細紐に虐げられまして、そのために蜜がますます粘り気を増すようです。
果ては居住まいを正すふうを装って、かかとを花芯にめり込ませてしまうありさま。
げっぷが出ますほど張り形を貪り食らい、よがり狂っただけでは飽き足らず、壜という新たな玩具がもたらす効果のほどを確かめてみずにはいられないのです。
ところで視界が鎖 されますと、逆に聴覚が研ぎ澄まされるものなのでしょうか。
旦那さまが洋袴 の前をくつろげていらっしゃるとおぼしい衣ずれが、冴え冴えと鼓膜を震わせます。それにともないまして、ひくひくと茎も震えます。
しゅっしゅ、と棒状の何かをさすっているような物音が反響いたします。ああ、あれは公平を期するために、旦那さまがご自分でご自身をしごいて、朋貴さまのそれと同じ硬さに育てあげていらっしゃるのでしょう……。
さもしげに喉仏が上下しますとともに、胸がいっそう轟きます。早く早く、持ち重りがします肉砲をおしゃぶりしとうございます。
旱魃 にみまわれました大地のごとく、喉はからからです。ネクタルという神々の飲み物さながらまろやかな精を一滴残らずそそいで、この渇きを癒やしていただきたく存じます。
そうこうしますうちに、旦那さまと朋貴さまは長椅子の左と右に分かれて腰を下ろされたご様子。つまり、この身は、おふたりの右足と左足に挟まれております。
御自ら口技のイロハを教えてくださいました点におきまして、旦那さまに分があります勝負事です。
努々 、予断を与えるなかれ、という深慮のもとに口をつぐんでいらっしゃるのでしょう。先ほどから、おふたりともひと言も口を利きません。
ただし、小手調べといった意味合いでそうなされたのだと思われます。沈黙を守ったまま順番にいざり寄ってこられまして、同じほどにいきり立った魔羅で唇をくすぐってくださいます。
殿方の香気を胸いっぱいに吸い込みますと頭がぼうっとして、おあずけを食った犬のように、唾が湧いて湧いてたまりません。
旦那さまの陽物にかぶりついてゆきたいのは山々ですが、催促がましい真似などできません。
〝当てっこ〟に専念するのが先決です。
号令がかかりますのを、じっと待ちます。
くだくだしいことですが、両手は双丘の上で緊縛されております。ですから満を持してというふうに雄身が口許に突きつけられましても、幹を捧げ持つことは叶いません。
甲と乙の別を下すには、舌の感覚だけが頼りなのです。
ひと口に〝当てっこ〟と申しましても、この勝負には旦那さまの名誉がかかっています。徳川の御代においては、旦那さまの顔に泥を塗るようなことがありましたら切腹ものです。
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