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Ⅰ 恋せよ、俺!⑧
航雅が、先輩に……
どういうこと?
「お前を渡したくないから」
ぎゅっと抱き寄せられる。
背中から、航雅の腕に。
お前が仕組んだのか?
………せんぱい
心の声は、言葉にならなかった。
冷ややかに俺達を映す双玉が瞬いた次の瞬間、静かに落とす。
「……あ、そ」
興味のない黒瞳だった。
俺を映す眼……
俺がいるのに、俺がいない。
先輩の中に俺はいないんだ。
告白する前に、振られちゃった。
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