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Ⅳ 雨のスクリーン ver.2

トントンっ 電話ボックスの外で、結羽がノックした。 どうしたのだろう? 外で結羽が指差して、何かを必死にアピールしている。 いぶかしげに視線を移したそこに…… 『すき』 曇りガラスに浮かぶ、ひらがな二文字 たくっ、いつ書いたんだ。 手を振って走り去っていく結羽の影が見えた。きっと笑顔なんだろう。 あいつの事だから。 分かってる。 俺が自分を嫌いだと言ったから『すき』だと、返したんだ。 そんな事してると、悪い狼に食べられるぞ。 曇りガラスの向こうに結羽はいない。 冷たいガラス 『すき』の下に指を置いた。 『だった』は書かない。 恋は終わっていないから……

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