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知られざる真実4
バイブレーションが反応する。
スマホの画面をチラと見て、涼はそれを枕の下に入れた。
長山糺
その表記が現れた画面が見えないように、振動が終わるまで、今すぐ手に取り応えてしまう衝動に駆られないよう、枕の下に埋める。
糺と一緒に生きていこうと夢見た。
義父 に脅迫されたあの日まで。
糺の会社員としての立場を奪い、命の保証も無くなると…。
そこまでの事をほんとうにするかどうか分からない。ただはっきりしているのは、あの男にはその力があり、少なくとも糺の会社員としての立場は確実に奪うだろうということ。
スマホの振動はまだ続いている。
着信拒否も、名前そのものを削除してしまう事も、何度もやろうとした。でも出来ない。自分から別れの手紙を送っておきながら、微かな繋がりだけは残しておきたい。
電話に出る事もラインに返信する事もしないのに、糺がまだ連絡を取ろうとしてくれている事に嬉しさを感じてしまう。
未練だらけの自分が情け無い。
涼はスマホの振動が終わるまで、膝を抱えてただ耐えた。
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