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抑えきれぬ劣情
「くそっ!」
翔也は見ていた紙を丸めて投げ捨てた。
「結構頑張ったのに、何でD判定なんだよ」
高3の夏休み前の模試。さすがにこの時期はそれなりに身を入れて模試に臨んだが、第一志望の涼と同じ国立大学はD判定から変わらない。
もちろん涼はとうに卒業しているが、同じ大学に受かれば同じ立場になれるような気がして、どうしても入りたかった。
弟ではなく、一人前の男として、涼の前に立ちたかったのだ。
予備校だって行っている。1日の時間の内、勉強に割いている時間は多い。なのに結果が伴わない。
苛々する。
「兄さん…」
このところ勉強が本格的になり、むしゃくしゃしてはオナニーで苛立ちから逃げている。
自分のものに手を伸ばす。
いつも涼を想い浮かべる。
涼の顔、風呂上がりの濡れた髪、細い手足。 涼を抑えつけ、口づけ、愛撫し、涼の中に押し入ることまで想像しながら、中心を梳き上げる。
涼が喘ぐ、涼の中に何度も出し入れしながら口づけ合う。
動きを加速する、涼の最奥に一気に注ぎ込む。
妄想でイクと同時に、翔也の手にべっとりと劣情の証しが着いた。
「兄さんでオナってるなんて…俺ってほんとに…」
イッた後はいつも冷静になり過ぎて、兄を犯す妄想でオナることに罪悪感を持つ。
でも駄目なのだ。受験勉強の苛立ち、それを解消出来る一番の方法が妄想で兄を犯すこと。
オナニー後には、やっぱり好きだ、同じ大学に行こう、頑張ろうと思える。
「ごめん、兄さん」
翔也は呟きながら、自分が汚した後の始末をした。
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