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崩壊の序章3
夜、シャワー後に翔也の部屋へ行く。
ドアを閉めた途端に抱きすくめられ、激しい口づけをされる。
「し、翔也…」
唇が解放されるとすぐにパジャマ代わりの長Tシャツを脱がされる。翔也自身服を脱ぎ捨て、涼の身体をベッドに横たえた。
下も脱がされて再び口づけされる。
「あ…」
指の先で乳首を優しく撫でられる。もどかしさに焦れる頃、今度はぎゅっと摘まれて左右に捻られる。痛みに変わるギリギリの愛撫を仕掛けられ、涼の身体も熱く昂ぶっていく。
唇で、舌で、指先で愛撫を受けながら、涼は自分を求める翔也を見る。
セックスは格段に上手くなった。
もう何も教えることはなく、むしろ涼が翻弄され喘がされ、あられもない嬌声を上げてしまわないよう堪えることに必死だ。
それでも声が漏れ出てしまう。
翔也の身長はとうに涼を抜かしていたが、身体つきも一層がっしりとしてきた。
自分の上にのしかかるその腹筋は綺麗に割れて、硬い。
もったいない。
こんなにいい男に育った翔也が、自分などに執着するのはもったいないと涼は心から思う。これから先いくらでも素敵な人に巡り会うはず。
翔也に両脚を開かされ、まず指で犯される。
「ああっ…」
いいところを擦られ身体がピクつく。涼の秘孔が指で解かされると、程なく翔也の重量感のある雄で中を満たされる。
「兄さん…兄さん…」
切なげに自分を呼びながら翔也が果てた。涼の身体から離れてごろっと横たわった翔也の顔を見つめる。
「翔也」
「兄さん、無理させた?大丈夫?」
「うん、大丈夫。あのさ」
「兄さん」
「うん?」
「俺、もっと頑張るよ。大学でもいい成績を残す」
「うん、努力するのは大事だよな。それで…」
「だから俺とのこと真剣に考えて」
「え…」
「俺は兄さんと生きていきたい。いつか俺のこと好きになってもらうつもりだから」
「翔也、まだ20歳なのにそんな簡単に将来決めるなよ。大学にはお前と同世代の奴が沢山いるだろ。男でも女でいいから、俺以外に目を向けて」
翔也は上体を少し起こし、涼に口づけた。
「簡単になんか考えてない。簡単になんか兄弟に告白出来ないし、抱いたり出来ない」
「それは…」
「兄さんが今も好きだっていう男とは大学の時知り合ったんだろ」
「…うん…」
「学生だって真剣な恋をするのは兄さんが一番わかってるんじゃないか。俺も真剣だから。兄さんも本気で俺のこと考えて向き合って欲しい。弟としてじゃなく」
涼はその日、それ以上なにも言えなかった。
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