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崩壊の序章6
ベッドサイドテーブルには縄や幾つもの鞭、バイブの類いや乳首やペニスを苛む道具が既に置いてある。
瞬間的に目の端には入っても、涼は見ないようにしていた。
見なくてもどうせあれらの物を使われるのだ。確認してわざわざうんざりする必要ない。
「いっ…」
左右が細いチェーンで繋がれているクランプで涼の乳首を挟む。そのチェーンをくいくいと引いては挟み具合を確認し、簡単には取れないよう何度か付け直す。
「いたっ…」
何度も乳首を挟み直されて、涼は辛さに声が出る。
「可哀想に」
痛みに顔をしかめる涼の頬を撫で、可哀想だと言いながら今度は輪っかなどか付いているアブノーマルなプレイ用の首輪を付けた。
涼は首輪が特に嫌いだった。鞭打たれるのは毎回のことだが、たまに首輪にチェーンをつけ四つん這いの姿勢で首を引っ張られながら打たれる時がある。その時の苦しさと惨めさ。
そういった行為に快感を見出すことが出来ず、苦痛の涙を流す涼に満足そうな武範の視線。
この二日間で耐えなければならない凌辱の時間。
涼は微かに息を吐き、時間の長さも何もかも考えないように頭を振った。
涼に首輪をつけると、次に武範はバイブを手にした。涼の足をぐっとお腹の方へ曲げると、露わになった孔にローションを垂らす。グロテスクな形をしたバイブを捩じ込むと、すぐにスイッチを入れた。
「はうっ」
身体が仰け反る。
「お前も楽しめないと可哀想だからな」
そう言いながら振動をマックスにする。
「ん…」
せめてまだ声を出すまいと涼は耐える。その隙に武範は涼がシーツを握る手を取り、折り曲げた足首と縄で繋いだ。左右共に腕と足首を繋ぐと、男根を模したバイブを突き入れられた秘部も露わになる。
「良い眺めだな」
羞恥と惨めさに苛まれる心を、自分を人形だと言い聞かせやり過ごす。
武範の手が伸び、顎を掴まれて真っ直ぐ向かされた。
「自分で引っ張りなさい」
そう言って乳首を苛むクランプ同士の間を繋ぐチェーンを持ち、涼に噛ませた。
バイブの振動に声を上げそうになるとチェーンが外れてしまう。首を微かに仰け反らせても、長さに余裕の無いチェーンは容赦なく乳首を引っ張る。
更に武範は手にパドルを持った。
それぞれ手首と足首を繋げて拘束され、閉じることの出来ない内ももにパドルの衝撃が加えられる。
「ううっ」
内ももを打たれた苦痛と、そのことにより噛まされたチェーンを引っ張ってしまい乳首にかかる負荷と、孔に捻じ込まれたバイブがもたらす望まぬ快感。縛られ、流れる涙を拭うことも出来ずにいる現状にいっそこのまま意識がなくなればいいと思う。
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