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崩壊の序章7

ひとしきり打たれた後、無理矢理噛まされたチェーンがようやく外され、ニップルクランプからも解放されたが、血流が戻る時のジンジンとした痛みがまた涼を苛む。 顔をしかめる涼を見つめて満足げに頷いた武範は、両手足の拘束を一度解き、バイブも引き抜いた。 「くっ…」 「四つん這いになりなさい」 そう命令すると、涼が態勢を変える間に、首輪につけるチェーンを手にする。 見なくともチェーンがたてるカチャカチャという金属音が涼の耳に届く。 首輪に付いている輪っかにカチッとチェーンの先のクリップがつけられる。 「バイブでだいぶ柔らかくなったな」 涼の秘部にローションを塗り、そのまま指を挿し入れた武範はすぐに指を増やし根元まで突き入れるとヌチヌチと拡げる。 「うっ…」 四つん這いのまま涼は、ただ心を無にする。 何も考えず時が過ぎるのを待つ。 人形のように武範の望む姿勢を造る。 逃げ出さずに自分の状況を受け入れるには、感情を削ぎ落とすしかなかった。 首輪に嵌めたチェーンをきゅっと引っ張られ、顔を上げさせられる。ほぼ同時に後ろから武範が押し入る。 「ああっ」 先程までバイブを入れられていたとはいえ、最初から一気に奥まで突き入れられ、その衝撃に涼は苦痛の声を上げる。続けて行われる抽送に耐えきれず両手を曲げて肘をつこうとしても首輪のチェーンを引っ張られる。 心を無にしても現実的な苦痛に生理的な涙が溢れる。 どれ程の時間が過ぎたのか、武範が涼の中で果てた。 一旦首輪からも解放される。 「ルームサービスでワイン頼もうか」 ベッドでぐったりしている涼に武範の楽しげな声が聞こえる。 「お前と過ごす時間はどれ程あっても足らないよ、涼。しばらく会えなくなるんだから、時間ギリギリまで楽しもうな」 武範が涼の髪を撫でながら声をかける。その手を振り払う気力もなく、涼はただぐったりとベッドに倒れ込んでいた。 そこから日曜日の夜まで、涼は時間の感覚がなかった。 武範に様々な体位で拘束され、一本鞭やバラ鞭、パドルで打たれ、身体を繋げられた。 時々休憩し、シャワーを浴び、ルームサービスで食事をとり、また武範の玩具として扱われ、窓から差し込む光でかろうじて昼間か夜かの区別だけがつく。 いつの、何の食事かもわからないままただ体力の保持のため、欲しくもないサンドイッチをかじっている時、武範が言った。 「あの男に会ったよ」 涼は一瞬動きが止まる。しかしすぐに何でもないように再びサンドイッチを一口かじる。 「会計システムのバージョンアップのプレゼンに来てた」

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