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破砕する心3
「良かったじゃないか…」
涼は口に出して言ってみる。
「糺に幸せになって欲しかったんだから…良かっ…」
もう一度言葉を発したが、泣きそうに語尾が震えて、涼は口を閉じた。
水を飲もう。
とにかく落ち着こうと、痛む身体に力を入れて立ち上がり冷蔵庫の前に行く。
ペッドボトルの水を取り出しキャップを開けようとしたが、手に力が入らずゴトッとボトルを落とす。
「あ…」
拾おうとしゃがむと、自身の身体を支えきれずにそのまま床に両手をついてしまう。
二日間凌辱され続けた身体は限界で、そこに糺の結婚を聞かされた。
「うっ…」
涙が溢れる。
リビングの床に倒れ込む。
「うっ…く…」
泣くまいと堪えようとしても後から後から涙が溢れる。
糺のために縛られ鞭打たれても耐えてきた。
その糺が結婚する。
床に倒れたまま、涼は泣く。
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