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吐露する
ずっと座っていたから気付かなかったが、腰が抜けていた、らしい。
どしゃりと情けなく地面に這いつくばった俺は、すぐに腕を突っぱねて起き上がり、擦りむいた膝も意に介さず、もう扉の近くまで行ってしまった背中に向かって、思いっきり叫ぶ。
「紫乃のボケぇ! ヤり逃げかよ……っ!!!」
「……っちょ、先輩?」
「こんなっ、まだ腰抜けて動けねえ俺を放って! 適当なこと言い腐りやがって……!! お前はスッキリしたか知らねえけどなあ! 俺はっ、俺はまだ……っ!」
「っちょ! ちょっと待って、先輩! 完全に誤解まねく言い方……!」
「っはぁああ?!! 事実だろうが!! お前が余計なもん俺んナカに流しこんだせいで! 俺は!」
「嘘だろっ、先輩……っ」
ぎょっとした紫乃は急いで走ってきて、俺の前にしゃがみこむ。
もともと動けるような状態ではなかった俺はすぐに体力の限界を感じ、息切れした。
膝は痛いし身体は言うこときかないしで、色んなことにムカついて、目の前の紫乃に向かってさらに怒鳴る。
「つーかお前、俺のためって思うなら、そばにいろ! このアホ! 何だよ忘れろって! 忘れられるわけねえだろっ……っごほ、! おぇ……」
「だ、大丈夫っすか……」
血の混ざった唾液が気管の変なところに入り込んで、思わずえずく。
もう……、なんなんだ、本当に。
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