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第7話
「で、何? 絶交じゃなかったの?」
ケンは、全然反省するそぶりも見せず、それどころか笑いをこらえるように上機嫌で言った。
その余裕ぶった態度がムカつく。
「ま、お前も悪気はなかったんだろ。オレンジジュース持ってきてくれたら許してやるよ」
「オレンジジュースって、リュウは、本当にお子ちゃまだね」
「しょうがないだろ、コーヒー飲めないんだからさ。それより、早く、いれて来いよ」
「はいはい」
ケンは肩をすくめて部屋をでていった。
じっと耳を澄まし、足音が離れるのを待ってDVDをセットする。
あいつ、ビックリするだろうな。
挙動不審になったらダメだ、ポーカーフェイスで! って思うのに、つい笑いが込み上がってくる。
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