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猫さんの誘惑
正月も過ぎるとあっという間に授業もはじまって慌ただしく月が変わる。
今日は休日なのだが兄さんはバイトが休みらしく、朝から豪華なご飯を作ってくれた。
なるべく兄さんが家に居てくれる時は、外出などしたくはないのだが部活にはやはり出なくてはならない。
「好きなもの作って待っててやるから頑張ってこいよー!」
笑顔で見送られてしまえば、行きたくなくても行くしかないだろう。
今通っている学園は才能のるつぼなので、特別科と俺達の通う普通科とでは部活さえ別だ。
普通科の部活動なんて当然練習は休み中身体が鈍らない程度に行われているちょっと緩い感じだけど、普通科でも才能があれば特別科の部活に参加できるらしい。
野球で例えるなら一軍と二軍って感じかもしれないなとぼんやり思う。
「海斗おつー」
「おー。おつかれー」
部活が終わる頃には、辺りはすっかり暗くなっていてさっさと帰ろうと練習着の入ったバックを抱えなおした。
「あ、あの…佐野くん!」
「マネジ?どうしたの?」
そんな時にマネージャーの女の子から声をかけられる。
次の練習の事だろうかと振りかえって頭1つ分以上低いその子を見下ろす。
「レギュラー入りおめでとう。次の試合頑張ってね」
「ありがとう!」
今日の練習で、次回の試合からレギュラーに入ることに決まったのだ。
わざわざその事を労ってくれていることが単純に嬉しくて笑顔でお礼を言うとマネージャーの顔が紅くなった。
「俺急いでるからまたね!」
「え、あっ、さ、佐野くん!」
俺は片手を挙げて別れの挨拶をすると、マネージャーが後ろで何か言っていたが俺は家へと急いだ。
電車に乗っている時間ももどかしくて、駅に着いたら猛ダッシュしてマンションへ走る。
「た、ただいま!」
「おー。海斗くん良いところに帰ってきた。あとオーブンに入れたらできるよ」
「グラタン!」
「前の家じゃできなかったからなー」
帰ってきてみれば兄さんはエプロン姿で耐熱皿をオーブンに入れている所だった。
夏場にグラタンはできないからと、冬に実家に帰ったら作ると約束していたのだが急に引っ越しやら転入やらでバタバタしていたのですっかり忘れていた。
まぁ、その約束も“ご褒美”の一環だった事を今更思いだしたので恥ずかしさがぐわっと湧いてくる。
俺は恥ずかしさで思わずその場にしゃがみこんだ。
それに走ってきたせいで息が上がっているので、大きく深呼吸する。
「海斗くんどうしたの?」
「え!?うわぁ!え?兄さんその頭何??」
心配そうに近付いてきた兄さんの声に顔をあげると俺は更に驚いて固まってしまう。
なんと、頭の上には猫の耳の形をしたカチューシャが鎮座していたのだ。
以前のウサギ耳の件もあるので動揺が隠せない。
しかもよく見ると足の間からふわふわとした長いものが見えている。
いつの間に着けたのだろうか。
帰ってきた時にはそんな物は頭の上に無かったはずだ。
「ひゃっ!」
「あ、ごめん!」
俺はその物体が気になり、近くで見てみようと引き寄せるてみる。
すると兄さんから突然声が上がり肩がビクッと跳ねあがったので、俺は慌てて手を離す。
「急に引っ張るからお兄ちゃんびっくりしちゃったよぉ…海斗くんねこちゃんの尻尾どうなってるか見たくない?」
その言葉にその物体の意味が分かってしまい、ごくんという生唾を飲む。
その音が聞こえたのか兄さんがニヤニヤこちらを見ている。
「ふふふ。やっぱり、弟最強にかわいい」
「んっ」
顔が近付いてきた…と思っているうちに唇に柔らかいものが当たり、ぬるっとしたものが咥内に侵入してくる。
少し薄めの舌が俺の舌を絡め取り、ちゅうっと吸う。
「ふぁ」
「さぁ、海斗?ネコちゃんと遊ぼう?ご奉仕するにゃん?」
にっこり笑う兄さんに誘われ、またしても俺はベットに誘導されてしまうのだった。
後ろからオーブンの幽かな音が聞こえていたが、今はそんな事を気にしている余裕など無かった。
「やっ、にいさっ、くちきもちっ」
「あは、海斗のガチガチだにゃん。ほら、尻尾もさわってにゃん」
「あ、むり、気持ちいい!」
兄さんの舌に翻弄されていると、口を離して目の前でお尻をふりふりと振られるのだが気持ちが良すぎて余裕が全くない。
「ほら、お兄ちゃんも気持ちよくしてにゃん」
「う、うん…」
目の前に垂れている尻尾をどけると兄さんのお尻の孔を何かが押し広げていた。
それには根本にスイッチらしきメモリがついている。
それを押し上げるとヴヴヴヴという振動音がしはじめた。
「ふあぁ!ちょっ、スイッチ入って!抜いっ!」
「あっ、今抜くね」
「そんな!スイッチ入ったま、まぁぁぁ」
スイッチを入れたことで身もだえ始めた兄さんに気が動転して振動したものをそのまま引き抜くと、俺の胸に熱いものが飛び散る。
しかも抜け落ちた物にはびっしりと突起がついていて、随分と凶悪な見た目だった。
「ふぁ、もう!海斗くん急に抜いちゃったから思わず逝っちゃったじゃないかぁ」
「あっ、ごめっ」
「許さないにゃーん?お兄ちゃんの孔に散々ズボズボして女の子にしてくれちゃったんだから責任取るにゃん」
俺の大事なところを掴んだままニヤリと笑う兄さんに恐怖を覚える。
「に、にいしゃん…もう、逝きたいっ」
「まだっ、頑張るにゃ、にゃん!」
「にいしゃん」
「腰を一生懸命振っちゃって、そんなにお兄ちゃんの中にどぴゅどぴゅしたいにゃん?」
「あっ、あぁ」
気持ちいいのに、根本に巻かれたリボンのせいで逝くに逝けないのが辛い。
あのあと、どこからか取り出した青色のリボンを巻かれてしまいテンションの上がった兄さんの口で遊ばれたあとやっと挿入させてもらったのだ。
視界に入ったリボンはずくずくに濡れて、青から黒に変色していた。
ピコン♪
「海斗くん?LINEが来たにゃーん?」
「にいしゃんそんなこと良いから、逝きたっ。逝かせてっ!」
携帯から電子音がしてそれを兄さんに目の前にかざされるが、今はそんな物に対応していられない。
腰を自分で動かそうにも股関節に体重を乗せられているので上手く動けないでいる。
「ん~?佐野くんいつもありがとうだって~。しかもこのマネジって女の子じゃない?海斗くんモテモテだにゃん?」
「やっ、俺は…にい、にいしゃんだけっ」
俺がそれを必死に言うと、兄さんの身体が小刻みに揺れだした。
「何この子!ぎゃんかわ!ぐうかわだにゃん」
「はやっ!兄さん早いから!」
「逝きたかったんだにゃん?ネコちゃんに海斗の種をどぴゅどぴゅ種付けしちゃえばいいにゃん」
兄さんがまたしても謎の言葉を叫びながら腰をグラインドさせる。
部屋中に肌のぶつかる音が木霊している。
「あっ、にいしゃん、イクッ!」
「にゃ、にゃあぁぁぁぁ」
逝く瞬間に根本に巻かれていたリボンがほどかれると、兄さんの中に大量に出してしまう。
兄さんの中は俺のを搾る様にきゅうきゅうと痛いくらいに締め付けてくる。
「にゃあ。海斗のいっぱい出てるう」
「兄さんっ!」
「んっ、ふふ」
恍惚とした表情の兄さんにキスすると兄さんは嬉しそうに笑った。
舌を絡め取られくちゅくちゅと音をさせながら舌を擦り合わせ、兄さんが満足すると口を話してくれたが銀の糸が互いの舌に橋を作っている。
「猫耳もアリだったな」
「兄さん…それこの前の?」
「そう!ご丁寧に尻尾形のバイブつきー」
ベットにうつ伏せの状態でうんうんと頷いている兄さんに水のペットボトルを渡しながら聞くと、さっき尻尾を手に嬉しそうに見せてくる。
改めてみると、かなり凶悪なビジュアルでよくこんなのを入れていたなと感心した。
ぐぅぅぅ~
「あぁ!疲れてるのに俺ばっかりごめんな?」
「何で、兄さんが謝るの?」
俺の腹の虫が鳴ると、兄さんが俺の腹を撫でてくれる。
可哀想にと言いながら頬擦りまでしているのはどうなんだろう。
「え~?海斗くんを沢山もぐもぐしちゃったから?」
「~!!」
悪びれもなく空いた方の手で自分の腹を撫でながら言う兄さんに顔が熱くなってきた。
こんな兄さんでもやっぱり俺の大好きな人なのだ。
俺の腹を撫でていた手を取って、手の甲にキスをするとびっくりした顔をしたがすぐ俺の大好きな花の綻ぶ様な笑顔に俺の心も暖かくなってきた。
「さぁ。グラタン温め直さなきゃね」
兄さんがベットから降りてキッチンに戻って行こうとすると、ふるりと身体を震わせた。
いくら空調が効いていても寒かったのかもしれないと俺は床に転がっていた服を拾って兄さんに駆け寄る。
「ふふふ。海斗のホワイトソース出てきちゃった」
「兄さん!!」
カーディガンを肩から掛けてやると、太股に垂れてきたであろう精液を指先に絡めてそれをペロリと舐めた。
俺は顔に熱が集まるのを感じて急いで兄さんを抱えあげ風呂場に向かった。
それから風呂場でも散々弄ばれて、大好きなグラタンを食べられたのは日付が変わってからだった。
兄さんの暴走には敵いません。
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