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十五夜

「海斗くん!今日はお月見だよ!」 「うん…でもこの部屋からじゃ月なんて見えないよね」 「ふふーん♪今日は海斗もお呼ばれしてるので、AWカフェに行くよ」 「はい?」 兄さんの突然の宣言に俺はポカンと口をあけてしまった。 両親が仕事で海外に行ってしまい、料理が一切できない俺は晴れて兄さんとまた一緒に暮らすことになった。 まだ夏休み中の兄さんは朝から何やらしているとは思ったが、俺が学校から帰ってきて日が沈み月が見えだす頃、大きな皿に大学芋やら里芋の煮物などを乗せているのを不審に思ってたずねたら意味の分からない返答が返ってきた。 「カフェの皆で閉店後にお月見しようってなってたんだけど、俺が弟と住みはじめたって言ったら、じゃあ皆家族連れてくるっていう話になったんだよね。せっかくなら食べ物持ち寄ってパーティしようぜってなったわけ」 「カフェは?」 「あそこ不定期に休んでるから、急に休んでもいいんじゃない?」 「いい加減なんだね」 AWカフェは兄さんが大学に入学してからオープンしたカフェで、兄さんはそこでオープンスタッフとして働きだして今でもバイトをしている。 はじめはオーナー兄弟で細々と営業していたらしいのだが、昨今のカフェブームに乗って人気が出たらしい。 「あー。渉さんとオーナー仲良しだから、店が不定期休業でもしかたないんだよねー」 何故かニヤニヤ笑う兄さんは凄くご機嫌だ。 その店長とオーナーは何かあるのだろうという事は今は考えないでおこうと口をつぐむ。 「さぁ海斗くん!ひとつもって?出発だ!」 「う、うん」 兄さんのテンションに押されつつ、俺は家を出た。 カフェはこの新居からもそんな遠くはないらしく、二人でのんびり歩いていると、確かに十五夜というだけあって綺麗な満月がアスファルトを照らしていた。 都会では月が見えないと思っていたのに、思いの外はっきりと見えることに感動してしまう。 「ほらほら海斗くん!上ばっかり見てると危ないよ」 「え?うわっ」 はっと気が付くと目の前に電柱があり、もうすぐでぶつかりそうになった。 横からはくすくすという笑い声が聞こえてくるので余計に恥ずかしくなる。 「あ、着いたよー」 「へ?」 そうこうしているうちに目的地に着いたらしく、兄さんの足が止まる。 そこには大きな壁があり、その壁には蔓が生い茂っていて店があるのかさえ分からないほどだった。 しかし、蔓の陰には小さな看板が立っていてそこにはAWCAFEと確かに書かれていた。 「カフェに見えないだろ」 確かに蔓の生い茂った壁に入り口らしきものは見当たらない。 どうやって入って行くのかと思っていると兄さんは看板の横を曲がって行く。 暗くて分からなかったが、看板の横には細い通路があった。 置いていかれない様に俺も急いで兄さんの後を追う。 「遅くなりました~」 「おー大丈夫。今調理場で色々作ってるから」 出迎えてくれたのは長い髪をハーフアップにした顎ヒゲの男性だった。 「あ、店長お疲れさまでーす。これ大学芋と里芋の煮物です」 「わざわざ作ってきてもらってわるいな」 「厨房は、俊とか他の奴等が使ってるんでしょ?だからいいっすよ」 どうやら兄さんが今話している人が店長らしい。 話している感じで優しそうな人だと言うことがわかる。 「君が陸斗が言ってた弟か」 「あ、はい!佐野海斗(さのかいと)です今日はお招きありがとうございます」 「おー。陸斗よりしっかりしてんな」 「うわー。渉さん結構俺に酷いよね」 笑いながら軽口を叩いている二人を見ると何だか年の離れた友達という感じで少し微笑ましい。 「あー。りっくんだぁ」 急に小さい子供の声が聞こえてきて奥からバタバタという大きな音がしたか思うと、俺の足にドスッという衝撃が走る。 「あれ?お兄ちゃんだぁれ?」 「え?」 「千奈美(ちなみ)ちゃん久しぶり。大きくなったね」 俺を見上げて不思議そうな顔をする女の子に呆気に取られていると兄さんがしゃがんで女の子に挨拶をしている。 「りっくん!わーちゃんもパパもちーちゃんもおつきさまみるんだよ!」 「そうだね。今日は呼んでくれてありがとう」 「あの…兄さん?」 「あぁそうだったな」 兄さんは俺の足にくっついている女の子を抱き上げると、俺の方に向き直る。 「千奈美ちゃん。このお兄ちゃんはりっくんの弟の海斗くん。海斗。この子はオーナーの娘さんの千奈美ちゃん」 「ちーちゃんです!4才だよ」 「海斗です。ヨロシクね?」 指を4本見せてくる千奈美ちゃんに、俺はにっこり笑って返事をする。 俺の顔を見てもじもじしだした千奈美ちゃんを俺はほっこりした気持ちで見ていた。 「千奈美!佐野…悪いな」 「パパ!」 「千奈美ちゃん大きくなりましたね」 「見ての通り、ちょこちょこと大変だよ」 奥から出てきた男性に千奈美ちゃんがパパと叫んだと言うことはこの人がオーナーなんだろう。 店長さんと若干雰囲気は違うが、髪をワイルドに後ろに流した爽やかな感じの人だ。 「お?こいつがお前の弟か?随分でかいな?」 「バスケしてからにょきにょき伸びて、俺より大きくなったんですよー」 何故か兄さんとオーナーさんに見られ、ニヤニヤされると何故だか居心地が悪い。 「兄さん何してんだ?千奈美もススキの準備しよう?」 「わーちゃん!お客さんいっぱいだよ!」 「そうだね。海斗くんも手伝ってくれるかな?」 「あ、はい!」 厨房へ指示を出しに行っていた店長さんが戻ってくると、兄さんの手から千奈美ちゃんを受け取って、千奈美ちゃんへ何やら言っているのが聞こえる。 俺にも声がかかり慌てて返事をした。 厨房から料理を運んだり、飲み物のセッティングをしているうちに人がぞろぞろと集まりだして周りは随分と賑やかになってきた。 カンパーイ! 今日は月見という集まりのはずだったのだが、人が集まればやはり宴になるのは当然かもしれない。 机の上には兄さんの作ったものをはじめ色々な料理が並んでいて周りは凄く賑やかだ。 「栗ご飯美味しかったな。流石に俺もあれは作れないな」 「兄さんの料理も美味しかったよ」 宴も終わり、二人でのんびりと今日の料理の感想を言い合いながら家へと歩く。 お土産までもらってしまい、なかなか盛大な宴だったと思う。 「あーあ。店長とオーナーもラブラブそうだし、俊くんもお兄さんと仲良さそうだったしうらやましーなぁ」 「え?」 俺は兄さんの言っている意味が分からず聞き返す。 あの、オーナーさんと店長さんがラブラブってどういう事だろう。 「オーナーさんって千奈美ちゃんが居るでしょ?奥さんは?」 「オーナーの奥さん、千奈美ちゃんを生んだ後すぐ家を出てったんだって」 「何で!」 「えー?オーナーってさ俺と一緒で弟可愛い!だからじゃない?」 益々意味が分からなくて俺の頭が疑問符でいっぱいになって、思わず立ち止まってしまった。 「だからぁ。俺と海斗みたいな関係ってこと!」 「えぇ!」 俺の腕にするっと抱きついてくる兄さんの言葉に、一気に現実味が湧いてきてかぁと顔が赤くなる。 つまり、あのオーナーさんと店長さんも俺達みたいな事をしてると言うことだ。 「店長が何かあったら話聞くってさ!立場的には反対らしいけどなー」 「どういうこと?」 「いつでも遊びにおいでってことかな?」 何か違う様な気もするが、とりあえず兄さんの事で困ったら店長さんに相談しようとこっそり思った。 「そんなことより、海斗は月見団子だけで満足?お兄ちゃんは海斗くんのお団子食べたいなぁ」 「ちょ、ちょっと!ここ外だよ!」 スラックスの上から俺の股間をやわやわと触ってくるので慌ててその手を避ける。 しかも発言がおっさんくさい。 「うちならいいの?海斗くんもしたいくせにー」 「したいけど、外はダメだよ」 ニヤニヤ笑う兄さんに腕を引かれつつ帰路を引きずられるように歩いていく。 しかも兄さんの足はスキップまでしているので、俺はちょっと困りつつもどうしても期待してしまって後を大人しくついてく。 「んっ、んはっ、ちょっ、にいひゃっ」 「ごめん。可愛すぎて止まらない」 玄関に入るなり兄さんに唇を塞がれ、舌を絡め取られる。 手に持っている荷物は兄さんによって奪われ、下駄箱の上にどんっと置かれた。 玄関には、俺と兄さんのぴちゃぴちゃと舌を合わせる音がしている。 「あはっ。海斗くんのお団子パンパンだぁ」 「ちょっと兄さん!」 ベットにたどり着いた頃には俺はパンツも全て奪い取られ良いように弄ばれていた。 玉をぷにぷにと手のひらで遊び、反対の手で竿を擦られる。 「先っぽからシロップ出てきちゃった」 「うっ」 先走りを舐め取られたかと思うと、その舌はどんどん下に下がっていき玉を甘噛みしたり、かぷかぷと唇ではさんで遊んでいる。 顔を見ると凄く楽しそうにしていてなんとも言えない気持ちになった。 「ふふふ。ぷりぷりしてきたぁ」 「あっ、やっ」 俺は兄さんに追い詰められて行き、今にも爆発寸前だったがやわやわとした刺激に後一歩のところで刺激が足りない。 そんな兄さんは俺のに根元から舌を這わせたり、玉を撫でたりと余念がなかった。 「兄さん!やだ…イキたっ」 「海斗のお団子から生クリーム出ちゃう?」 「出る!出るから!あ"っ」 兄さんがぱくんと俺の物をくわえると、頭を激しく上下に動かされる。 ぬめぬめとした舌の感触と、玉を揉み精液を搾り取ろうとする手付きに俺はひとたまりもなく兄さんの口の中に思いっきりぶちまけてしまう。 「これはお団子じゃなくて、クリーム大福だぁ」 「はぁ、はぁ…」 まだ玉をもぎゅもぎゅと揉んでいる兄さんは先端にちゅうっと音をたてながら吸い付き最後まで吸い出そうとしている。 兄さんが何かおかしな事を言っているが、解放感と射精後のぼんやりした頭でははっきりと理解はできなかった。 それからの事はあまり覚えておらず兄さんにまたしても良いように相手をさせられた事しか覚えていない。 次の日、学校帰りに早速カフェに行って店長さんに話を聞いてもらおうと思ったら疲れきった様子の店長さんが出てきた。 店長さんもオーナーであるお兄さんには色々大変な事ばかりらしい。 二人で顔を見合せはぁ…と大きなため息をついたのだった。

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