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ハロウィン

今日はハロウィン。 年に一度の子供にとっては嬉しい日だ。 しかし、不穏な空気を醸し出している人物がここに居る。 「海斗く~ん? trick or treat!」 「……。はい」 リビングでぼんやりテレビを見ていた俺に近付いてきた兄さん。 俺は、兄さんの手にちょこんと小さな飴を乗せた。 しかし、それを受け取った兄さんは不満そうに頬をぷぅ膨らませている。 「海斗くん。なんでお菓子なんて持ってるのー!今日は学校も休みのはずなのに!」 「いや…。兄さんなら言うだろうなと予想してたから…」 悪戯したかったのにと何故かただを捏ね始める兄さん。 酔ってるのかこの人はって思ったけど、顔は赤くないし足取りも至って普通だったので完璧な素面だぞこれは。 「trick or treatだよ兄さん!」 「ん?」 兄さんの慌てる姿を見てやろうと思って、声をかけたのに兄さんはのんびりとポケットを探して何かを取り出した。 しかし、それを口に含むと兄さんは首を横に振った。 「ごめん。持って無かったわ」 「え?いや…たった今、口に何か入れたよね!?」 「これ?」 べっ、と出した舌の上にはピンク色の飴が乗っている。 「これは俺のだから、いたずらしてもいいよ」 「はぁ…」 兄さんのその言葉に軽く頭痛がする。 もういいや無視をしようとテレビに向き直った。 「えー?海斗くんいたずらしてくれないの?」 「兄さんテレビが見えないよ…」 兄さんがすかさず膝の上に乗ってくる。 少し重いけど、不安定なので腰に手を回してやるとすごく嬉しそうにしているのが悔しい。 こんな仕草が俺より幼く感じて、不覚にも胸がきゅんとしてしまった。 「ふあっ!ちょっ!兄さん!」 「んー?飴おいしい?」 顔が近付いてきたと思ったら、口の中に甘さが広がる。 舌の上を飴が転がっていく。 ちゅっ、ちゅ、コロッ 舌の上でどんどん小さくなっていく飴。 いちごみるくの味がする。 「んっ…ふぅ」 「あぁ!そうだった!」 「え?」 ツゥっと舌同士が銀の糸で繋がるいやらしい光景に俺はくらくらしていると、兄さんが急に立ち上がって自分の部屋へと消えていく。 俺も流石に兄さんの自由さにポカーンとしてしまった。 兄さんの消えていった部屋からはガタン、バタンと慌ただしく動く音がしている。 兄さんはレポートやら課題やなんかの関係で夜遅くまで起きている事もあるので一応お互いの部屋がある。 「いやー。タイツなんて履いたことなかったうえに、このスーツってやつ?ファスナーあげるの大変でさぁ」 どれくらい待っただろうか。 物音がしなくなった所で兄さんが戻ってきた。 その姿を見た瞬間、遂に兄さんの頭が心配になってきたので自分の米神を押さえてしまう。 なんでこの人こんなに奇想天外なんだろうか。 「やっぱり、ハロウィンと言えばコスプレだよな!」 「う、うん…ソウダネ」 そこには網タイツにテカテカした素材のボディースーツを着た兄さんが立っていた。 手首にはカフス、首にはつけ襟と黒の蝶ネクタイ。 何を思ったのか完璧なバニーガール…いやバニーボーイが立っていた。 「やっぱ部屋の中だとハイヒール履けないから締まらないよなぁ。でも、スーツはバッチリだし、しっぽもあるんだよ」 兄さんは残念そうに足元を見るが、腰に手を当ててボディスーツの出来映えを確認して笑っている。 俺の前でくるりと振り返ると、兄さんのぷりんとしたおしりが丸見えになっているが際どいボディスーツの上には確かにモコモコとした尻尾がついていた。 「いや…それより何でバニーガール?」 「えー?前に貰った耳もったいないでしょ?」 後ろ姿があまりにも際どいので、動揺していると兄さんが頭にボディースーツと同じ素材のウサミミを頭に乗せる。 「もしかして…それ」 「お!海斗くんも覚えてる?」 くい気味に答えてくる兄さんに俺は、またしても頭を押さえる。 兄さんが今取り付けた頭の上の耳には見覚えがあった。 といってもほんの数週間前の出来事なので忘れるはずもない。 「やっぱりウサちゃんと言えば、バニーガールだよね!ピョンッ」 「うわっ!」 ニヤニヤと笑いながら膝の上に再び乗ってきた兄さんは凄く楽しそうだ。 両手で俺の顔を包み込むとスリスリと頬を撫でてくる。 胸元が凄く際どくてドキドキしてしまう。 「ちょっ…にいさっ…んっ」 「んふふふ~♪」 顔を固定されまたしても一方的に唇を奪われ、舌を絡められる。 口の端からくちゅくちゅっと舌を絡める水音がする。 「海斗くんの海斗くんも元気だねぇ。俺のうさちゃん可愛かった?」 「えっ!いや…」 「あ、それともエッチだったからかな?」 「ちょっ!!」 ズボンの上から股間を触れると、下半身が反応しているのがバレてしまった。 兄さんは触れるか触れないかの微妙なタッチでズボンの上から俺の形をなぞる。 「えへへ♪お兄ちゃんも海斗の見てたら勃ってきちゃった」 俺の膝に両手を後ろ手についた兄さんが腰を浮かせる。 ずいっと目の前に差し出された兄さんの下半身は確かにピッタリとしたボディースーツを押し上げて、くっきりと形が浮き出ていた。 「お菓子を持ってなかったお兄ちゃんにイタズラしていいよ?ほら…」 「うわっ…」 その言葉に俺は一瞬ためらったが、一方的に右手を取られボディースーツに触れるとサラサラとした手触りに軽く感動してしまう。 そのまま兄さんのお腹を撫でると兄さんから軽くため息が漏れた。 「ふあっ!海斗くん上手だね」 「ちょっと…兄さん」 焦れた兄さんにまたしても手を取られ、手のひらに下半身を擦り付ける兄さんのモノがどんどん熱くなる。 「んっ…んんっ」 「兄さん服が…」 「海斗の手が気持ちよくて出しちゃった。ほったらかしでごめんね」 兄さんの身体がふるりと震えるとボディスーツにシミができる。 ビリッ、ビッ、ブチッ 何のためらいもなく兄さんが履いている網タイツに指をかけると自分で左右に引き裂いていく。 「はい。海斗くんより先に出しちゃう様な、エッチなウサちゃんのココにお仕置きしてキャンディーからミルクいっぱいだしてね」 膝の上で身体を再び反らせて、俺に見える様にボディースーツを横にずらすとヒクヒクと蠢くアナルが露になる。 それを見た瞬間兄さんの策にまんまとはまったと分かっていても誘惑には勝てなかった。 でも、その台詞は無いなって心の中で思っておく。 「あ、そうだ。お菓子はないけど、こんなのはあるよ」 「兄さん…それどこからだしてるの」 胸元からコンドームの束をズルッと取り出した兄さんはまたもや満足げに笑う。 しかもご丁寧にパッケージがお菓子みたいなデザインでカラフルだ。 絶対この日の為に買ったんだろうって思ったけど、それを言うと更なる墓穴を掘りそうだったのでこれも黙っておいた。 「海斗なんやかんや言っても結局しちゃうんだよねぇ…ゴムこんなにあるよ」 「うう…兄さん何も言わないで」 使い終わったコンドームの口を結んだものを数個持ち上げて、息を整えつつ嬉しそうにしている兄さん。 俺は恥ずかしくて逃げ出してしまいたい気持ちでいっぱいだけど、身体は解放感でいっぱいなのが悔しい。 「ハロウィンってこんなイベントだっけ?」 コンドームを手の中で遊びながらご機嫌な兄さんをお横目に、今日も大きな溜め息が出る。

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