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第一話:歯車にさえ、なれなかった

『異臭を放ち枝になったまま傷んで腐る未来ならいっそ、厭われ切り落とされ地に転がり堕ちる前に自ら潔く散ればよかったのだろうか。』 母体である木を守る為に たった一つの果実を得る為に 花を蕾を幼果を間引くように ―――生きる為にあらゆる感情を削ぎ落として 傷だらけになりながら君は歩き続ける

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