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第3話 怒り⚠
いつものように暴力を受けていた日だった。
「はぁ...なんか飽きてきたな、コイツで遊ぶのも、さ」
「うッ!..ぐ、ぅ...ぁ」
諒はそういいつつ僕に蹴りを入れる。
「そういえば俺昨日、零の母親見たんだよな。お前と違って綺麗で純白な角持った母親な。全くなにがあったらお前みたいな人間になるんだろうな。ホント母親がかわいそうだわ」
(あんな角...綺麗なもんか)
僕は心の中でそう呟いた。
どれだけ綺麗な外見を持っていたとしても僕は母親の内側を知っている。
だから、どうしても「綺麗」だなんていえなかった。
すると周りにいる一人が口を開いた。
「___でも俺知ってるぜ?コイツの母親が色んな男と何股もかけてるの。清潔そうに見えて中身ドロドロのビッチなんだなww」
心臓が跳ねる音がした。
何故コイツが知っているんだ?どこから情報が漏れているんだ?
コイツが知っていることを母は知っているのか?
様々な疑問が頭の中で飛び交う。
「うわ、マジかよそれw てことは姉の方ももうヤってたりしてな?www」
「親子揃って仲良く変態ぃ??wどんな家族だよww」
それを聞いた奴らは口々に僕の家族の事を好き勝手言う。
確かに母は色んな人と身体を重ねる。
だが、姉は違う。
どこまでも優しくて、真面目で、かっこよくて。
唯一僕が尊敬できる人だった。
その人を馬鹿にされるなんて許せなかった。
「.....違う。姉さんはそんなことしないッ!!勝手なことを言うな!!」
大声で彼らにそう言い放った。
その瞬間笑い声は途絶え、シーンとした空気が教室内に生まれる。
自分でも驚いた。
こんなに自分が感情的になるなんて。
ただ、今は体中から血の気が引いていく。
やってしまった...。
絶望を感じながら、ゆっくり俯く僕。
少しの間続いた静寂は諒が発した言葉で断ち切られた。
「...へぇ。『姉さん“は”』てことは、母親がな“そう”なのは認めるんだ。」
僕はギクリとする。それも違う、と言おうとしたが諒の言葉に遮られる。
「でも、なるほどね...。クスッ
___決めた、今日からお前性奴隷な。丁度退屈になってきてたし。
...その方が男として、辛いんじゃない?お前にプライドとかあるかなんて知らねぇけど」
「...え?せ、い奴隷...??な、何で?」
頭が真っ白になる。
性奴隷なんて何をするんだ?
僕が母のように卑猥なことをしなければならなくなるのか?
...嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ!!
「前に俺言ったよな?お前に拒否権ないって。何?嫌なの?」
そう聞かれて僕は首を縦に振る。
諒ははぁ、とため息をつくとこういい捨てる。
「...あそ。ま、いいよ。決めるのはお前の勝手だ。その代わり姉の方ヤらせてもらうから。」
「...っ!?ダメ!!やめてください!!姉さんには何も、手を___」
「じゃあ、お前がなるか?お前が性奴隷になるってんならお前の姉貴には手はださねぇよ。」
指先が震える。
こんなの....、僕がなるしかないじゃないか。
「....僕、がなります。なるから...姉には何もしないでください...っ」
僕は訴えるように答える。
そんなものなりたくない。
母と同じだなんて、嫌だ。
でも、僕のせいで姉に何かあったら。
迷惑をかけたら。
そんなのは耐えられない。
「よし、じゃあ決まりだな。今日からよろしくな、レーイくん?...クスッ」
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