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第18話 躾③

しばらくして、海様が戻ってきた。 手には、3つのパンと1Lの水を持っていた。 「おら、昼食持ってきてやったぞ。コレ、夕食までに全部食えよ...水も。出来なきゃお仕置きだ。」 「...っ、はい。わ、かりました....。」 そう、返事をすると目の前に乱暴に投げ捨てられる。 パンはいけるかもしれないが、水は普段飲んだとしても500mLの3分の1ほどしか飲まない。この量...飲みきれるだろうか...? しかし、お腹が空いていた僕は水のことは後回しにし、目の前のパンにかじりついた。 その間、海様は上から僕のことをじっと見ていた。 僕がパンの一つを食べ終わり、二つ目を食べ始めた頃一つの疑問が湧いた。 また暴力をふられるのは怖かったが、恐る恐る訊いてみた。 「あの...、海様。今日って、平日...ですよね?学校とか、家族とか...僕連絡とってないんですけど...。」 「...学校には俺の知り合いがやったらしい。家には一応連絡はしたらしいが...」 海様がそういうとニヤリと笑って続けた。 「『ウチは大丈夫なんで、お好きなだけ泊めてやって下さい』、だとよ。ははっ、何だか遠まわしに帰らせるなって言ってるみてぇだな。」 「...そう、ですか。」 言い終わると海様は床から出ている突起に僕の首輪のチェーンを繋げると、扉をあけどこかへ行ってしまった。 僕はというとパン三つを平らげ、水を満足するまで飲んだ。 しかし、減ったのはほんの少し。これを飲みきるなんて僕にとっては難しいものだ。 それでもお仕置きを避ける為に一生懸命水を飲んだ。 でも、海様は僕が喉が渇かないようにと思い水をくれたのだろう。 一応、それは善意なのだからお仕置きがあるかないかではなく、飲まなきゃいけないような気がした。 ―――しかし、後にこの考えが間違っていたことを僕は知る事になった。

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