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アオキ13
上気した自分の顔が目の前に見えるのは、横たわるアオキのすぐ脇に姿見が置いてあるからだ。
ベッドの脇に斜めにそって置かれたそこには、はしたない姿の自分が余すところなく映っていた。
「見えるか」
股間から顔を上げた紅鳶が鏡越しにニヤリと笑って言う。
彼の唇は唾液とアオキの蜜で濡れ、いやらしい糸を引いて光っていた。
「…やっ、恥ずかし………」
咄嗟に腕で顔を隠そうとすると、再び嗜められた。
「目を逸らすなと言っただろ。自分がどれだけ感じているかちゃんと見てるんだ」
敏感な粘膜を剥き出しにされると、舌先でチロチロと舐められる。
「……っふ……っぅ」
アオキはシーツを握りしめると唇を噛み締めた。
姿見の中の自分がシーツから背中を反らし、悶える姿が見える。
持ち上った下腹部を紅鳶の舌が妖しく這う様もしっかりと映っていた。
「……っあ…いや…紅鳶さ…まぁっ」
今まで感じた事のない羞恥と得体の知れない衝動に怯え、アオキは嫌々と頭を振る。
それは頑なに閉じていた扉を無理矢理抉じ開けられるような感覚だった。
「なんだ、ちゃんと感じてるじゃないか。ここ、こうされるのが好きなんだろ?」
勃起した陰茎をユルユルと擦られながら括れた部分に吸いつかれて、アオキは悲鳴のような声を上げた。
腰の奥にはマグマのようなものが泥々と渦巻いていて、今にも爆発しそうだ。
「は……ぁあっ、いや……まって…待ってください」
巧みな口淫に追い立てられて、アオキは半分泣きながら紅鳶に懇願した。
彼はアオキを興奮の渦に引摺り込もうと次から次に快楽を与えてくる。
しかし、強烈な快感に慣れていないアオキの身体は無意識にそれを拒もうと必死だ。
「だめだ、今日はお前が泣いても喚いても止めてやれない。特別研修と言われただろ?」
抵抗しようとする腕を掴まれ押さえつけられると、今度はその唇が薄い胸に色づく突起を捉えた。
右の乳首に力一杯吸いつかれ、舌先で転がされてしまう。
「…う……く、ああっ」
アオキはたまらずに高い声を上げた。
張り詰めた屹立から濁った蜜が滲み出ると、陰茎を伝い薄い絹糸とその奥に潜む場所を濡らしていく。
「余計な意地やプライドは捨てろ。そんなもん持ってたって、お前が男娼 から解放されることはない。それがいやだったら稼ぐしかないだろ。お前の、この身体で」
紅鳶はそう言うと、今度は反対側の乳首に歯を立ててきた。
「はぁっ……あ…あ、ああっ」
鋭い快感が胸から腰の奥に伝わっていく。
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