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雨の日に7
「あぁあ…っぁあ、んんっ」
グジュグジュと中を掻き回され、粘膜を擦られてアオキはひぃひぃと咽び泣いていた。
股の間ではひっきりなしに涎を垂らしている屹立が今にも爆発しそうなほど膨らんでいるが、そこには一切触れてもらえずそれがまた焦れったくてたまらない。
昨夜も散々擦られまくった後孔の粘膜も熱を孕んでいて、ぐずぐずになって爛れてしまっているんじゃないかと思った。
けれどもっと触れて欲しい、と思ってしまうのは相手が紅鳶だからだろう。
ここが屋外という事も舛花の目の前だという事も忘れて、アオキは後ろにいる紅鳶に強請るような視線を向けた。
アオキの訴えに気づいた紅鳶が男くさい笑みを浮かべ、欲しいか?と、眼差しだけで問いかけてくる。
アオキが小さく頷くと、中で動き回っていた指がずるりと引き抜かれた。
ふと、視線の隅に舛花の姿を捉える。
前を寛げる紅鳶を横目に、舛花は大きな身体を揺らしながらそわそわとしていた。
その顔や首は真っ赤で、大きな図体はやや前屈みだ。
「あ〜…マジっすか、ここでヤっちゃう感じです?」
「当然だ」
きっぱりと告げる紅鳶に、舛花は視線をあちこち巡らせると恐る恐る訊ねてきた。
「あ、あの紅鳶さん…俺もちょっと、その…交ぜてもらえませんか?…まじ、その…キツくて」
着物の上から股間付近を抑えると、舛花が二ヘラと笑ってみせる。
どうやら自分も加わりたいらしい。
しかし、紅鳶の鋭い眼差しに一喝されたのかすぐにシュンと小さくなって黙り込んだ。
「そうだな。触るのはダメだが、見るくらいなら許してやる」
「え?!」
紅鳶はそう言うと、アオキの片足を担ぐとグイッと持ち上げた。
自ずと身体が捻り下半身が傾く。
しかも舛花のいる方の足を抱え上げられたものだから、彼からアオキの股間は丸見え状態になってしまった。
「あ…そんな…っ!!恥ずかしいです…」
アオキは慌てて背後にいる紅鳶に訴えた。
しかし紅鳶はニヤリと笑みを浮かべただけで取り合ってくれる気配もなく、雄々しく天を向いた昂りを後孔へと擦り付けてくる。
「あ、あ、ああ、あ…」
アオキは絶望的な声をあげながらも、感じ入ってしまった。
待ちわびた紅鳶の男根に、頭の中は期待と興奮と羞恥で綯い交ぜになっている。
身体をひらくのが仕事だったアオキにとってこの行為は慣れているはずなのに、紅鳶の前では一切余裕なんてなくなってしまう。
そんな風になってしまうのも、きっと相手が紅鳶だからだ。
すでに充分に解された蕾に、逞しい男根の切っ先がつぷりと差し込まれる。
昨夜もされているとはいえ、身体を暴かれる快楽の衝撃に目の前が真っ白になった。
「あぁぁっ…だめっ…だめぇ…ひああぁっ」
後孔が激しく戦慄き、中がうねるのがわかる。
待ちわびた快楽に耐えきれず、アオキは瞬く間に飛沫を噴き上げた。
「あぁ…はぁ…はぁ、あぁぁんっ」
アオキの足元の湿った土の上にポタポタと精の雫が垂れ落ちていく。
挿入と同時に達してしまったアオキの凄まじく卑猥な様子を舛花の二つの双眸がしっかりと捉えていた。
羞恥と達した余韻に震えていると、紅鳶がじりじりと腰を進めてくる。
今このまま中を突かれたらどうなるか目に見えていた。
達した後の敏感な肉体に与えられる快楽は強烈で、でも途方もなく気持ちよくてアオキはいつも取り乱してしまう。
前後不覚に陥り、我を忘れて快楽を…何度も何度も紅鳶を求めてしまうのだ。
怯えるアオキに紅鳶の整った顔がそっと近づいてくる。
そして耳元に唇を寄せるとアオキに聞こえるギリギリのトーンで囁いた。
「…帰ったらベッドで思い切り突いやる。この体位じゃ届かないところまで突き上げて、掻き回して、お前が一番感じる場所で思いきり出してやる…なんども…なんどもだ」
半ば脅迫のような言葉に、アオキは震えた。
しかしそれは決して怯えなんかではない。
壊れるくらい抱かれても、この上なく本望だという喜悦の震えだった。
不安定な体勢に骨を軋ませて、それでもアオキも律動に合わせて腰を振り、中を締め付ける。
熱を孕んだ粘膜を往復していた男根がかさを増し、届く限りの奥で強かに精を叩きつけた。
その熱い飛沫の感覚にも感じてしまい、アオキはビクビクと背筋を粟立たせる。
舛花が頻りに自身を擦り立てているのを尻目にアオキは三度目の精を放つと、ふっと力が抜ける。
ついに立っていられなくなってしまったらしい。
しかし地面に膝をつく寸前で紅鳶の腕に支えられ、すぐに抱きかかえられた。
「これでわかっただろう?しずい邸の男娼を相手にするなんてお前には100年早い。わかったらこんなところで油を売ってないでさっさと仕事に戻れ」
頭上から舛花に対してきっぱりと告げる紅鳶の凛とした声が響く。
舛花はその整った顔を悔しげに歪めると、チラリとアオキに視線を向け一言も発さず足早に去って行った。
「あの人は…大丈夫でしょうか」
「あぁ、舛花は新人の頃から客からの受けがいい。少しばかりだらしないが、真面目にやれば青藍や漆黒にも並ぶ人気男娼にもなれるはずだ。それに負けん気はきっと俺くらい強い。これくらいのことで落ち込むような男じゃないさ」
紅鳶はそう言うと舛花が去った方を見つめた。
いつもの凛とした眼差しの中に、何かを見通すような底の深いものを感じる。
それはほんの少し楼主の眼差しにも似ていた。
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